8月16日(金)、17日(土)、18日(日)に開催されるSUMMER SONIC 2019。20年の歴史の中で2001年に初出演を飾り、その後もほぼ毎年出演しているバンドがゼブラヘッドだ。もちろん今年も出演する。今回、親日家として知られ、日本のファンも多いミクスチャーパンクの雄が新作『ブレイン・インベーダーズ』を引っさげて来日。サマソニのボスでもあるクリエイティブマン清水直樹社長とのクロストークが実現した。
―皆さん、ほぼ毎年日本に来ていますが、さすがに飽きませんか?
全員:ノー!
ベン(Ba):これがカリフォルニアのフレズノだったら確かに飽き飽きだけど、日本は地球上で最もアメージングな場所のひとつだからね。ライブとか今回みたいな口実があるなら、俺たちはいつだって来るよ。
アリ(Rap):そうだね。日本は長い時間をかけて来る意味がある場所だよ。
―そして、SUMMER SONICはほぼ毎年のようにゼブラヘッドを呼んでいますが、飽きま……
清水:(質問を遮って)私は正直、飽きてきました!(笑)
一同:あっはっはっ!
マッティ(Vo, Gt):(通訳に向かって)もっといい感じの言葉に翻訳してくれよ(笑)。
―(笑)真面目な話、なぜサマソニはそんなにもゼブラヘッドを欲しているんですか?
清水:初めてゼブラヘッドがSUMMER SONICに出たのが2001年で、あの頃の彼らのライブは本当に凄まじかったんだよね。で、どんどん日本で人気が出てきて、うちにはPUNK SPRINGみたいにゼブラヘッドに合うフェスがたくさんあるからそういうフェスにも出てもらってるうちに、クリエイティブマンのファンが「ゼブラヘッドは毎年来るよね?」みたいなことを言い始めたから、こっちも毎年呼ばなきゃいけないようなモードになっていったって感じはあるね。だから、これはファンの力です。
アリ:最高だね。
ベン:感謝するよ。PUNK SPRINGもすばらしいよね。あのフェスはクレイジーだし、観客も狂ってる。俺たちはこれだけたくさん出演することができてラッキーだよ。
清水:今は、ファンが「あれ? 今年、ゼブラヘッドはどうしたの?」ってゼブラヘッドがいないことがおかしいって感じるようになってきて、出演をアナウンスすると「あ、やっぱり出るよね」って安心するという面白い状況になってきてる。
全員:あはは!
ベン:いい話だね! 真面目な話、もしそういうキッズや(清水)直樹がいなかったら、俺たちは存在してないよ。これは100%、直樹とクリエイティブマンのおかげ。
エド(Dr):俺たちの人生において、彼はトップ5に入るぐらい大切な人だよ。
清水:ありがとうございます。
―ゼブラヘッドにとって、SUMMER SONICはどういうところが魅力なんでしょうか?
ベン:日本のフェスに来るファンは本当に狂ってるけど、曲と曲の間はみんな静かにしてくれるんだ。なぜなら、アーティストが何を言うかみんなちゃんと聞こうとするから。あと、すべてのことがスムーズに進むよね。制作、ケータリング、ホテル、すべてがパーフェクト。飛行機に乗ったらもう何も心配する必要がない。こんなことは他では絶対に起こらないよ。
ダン(Gt):パーフェクトなフェスだよな。
ベン:飛行機のチケットを買ったらあとはもうOK。他のフェスだとちゃんと空港に迎えが来てくれるか心配しなきゃいけないし、ホテルがひどかったりするんだ。あと、SUMMER SONICのケータリング、特にエビは世界で一番だよ。とにかく、SUMMER SONICはすべてが最高。
アリ:あと、SUMMER SONICに来るファンの精神性がいいよね。他のフェスだとファンの態度がクール過ぎたり、自分自身だけで楽しんでる感じだけど、SUMMER SONICは最初の一音から最後までみんながクレイジーになるんだよ。
エド(Dr):もうひとつ付け加えると、SUMMER SONICは本当に音楽好きのためのフェスティバルなんだ。マリリン・マンソンからメタリカ、ビースティ・ボーイズ、セックス・ピストルズまで幅が広くて質の高いジャンルの音楽が集まってて、俺にとってはベストのフェスティバルだね。
清水:ゼブラヘッドが面白いのは、通常、フェスだとみんな普段と同じショーをやるのに、彼らはなぜかコメディアンを呼んだり、なにかしら日本だけで披露するアイデアを考えてきてくれるところ。それをファンが楽しみにしてるんだよ。
アリ:びっくりさせたいし、みんなが予想していないものを見せたいからね。
―なんでそういうことを始めたんですか?
アリ:ライブを観に行くときって、そこに行ったっていう事実だけで、それがどんな内容だったか、どんなに楽しかったっていうことをすぐに忘れちゃう。だけど、俺たちはその楽しかったっていう思い出をしっかり覚えててもらいたいんだ。そのためには自分たちも楽しまなきゃいけない。
―そうですね。
アリ:音楽はある種の逃避だと思うんだよ。世界では本当にひどいことが起こってるけど、バンドを観に行くときだけはそういうことを忘れられて、最高の時間を過ごせる。そういうことを俺たちがファンのためにできるっていうのはとても気分がいいよ。俺たちは世界中を旅して、ビールを飲んで、音楽を演奏するのが世界で一番グレイトなことだと思ってるからね。