ラップの新時代を築いたフューチャー、その背景にあるコデインの存在と自身の葛藤

現在フューチャーは、とてつもなく生産的で精神的にはフラフラの状態から抜け出しつつあるようだ。本人曰く、2018年はオフの1年だったという。彼がなぜそう言いうのかわからない。というのも、昨年彼は『Beast Mode 2』を発表し、さらにエクゼクティヴプロデューサーとして映画『Superfly』の2枚組サウンドトラックをプロデュース。その上ジュース・ワールドとのコラボレーションもリリースした。だがどうやら、フューチャーにとっては「オフの1年」と言うことになるのだろう。

「気持ちが入ってなかったんだよ」と、彼はすっぱり言った。「音楽を作ってはいたけれど、気持ちが入ってなかった。気持ちの上で、胸に響いてこなかったんだよ」

フューチャーは今、一つの節目を迎えようとしている。今後の計画に関しては相変わらず口が堅い。ラップを止めるつもりはないが、ラップを終えた後は「ちっちゃい店」をやろうという夢がある。この夢について語る時い、彼の口調は謙虚だ。これまで何年も、音楽のことでは散々しゃべりまくってきたのとは大違いだ。「朝起きて、毎日自分の店に行くんだ。お客は店に来て、俺は一緒に服選びを手伝ってやる――俺にかかる費用はゼロ。お客からは一銭をもらわない。自分が好きだからやるって言うだけさ。自分がやりたいからやるんだ。みんながおしゃれするのを見て、一緒に服を選ぶのが好きなんだよ」

もし今が人生の節目だとすれば、2011年のフューチャーと2019年のフューチャーの一番の違いは何だと思う?と聞いてみると、彼は笑ってこう答えた。

「8000万ドル分リッチになったことかな」





Translated by Akiko Kato

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