フルカワユタカ最新コラボSG、背景にあるHAWAIIAN6とのリアルな人間模様

─そういう中で、メロコアどまんなかのHAWAIIAN6と親しくなったのは?

フルカワ:僕の記憶ですけど、最初の高円寺GEARの対バンで……5、6バンド出てたんですけど、そのうちの1バンドに「HAWAIIAN6ってバンドは横山健とつながってるから、仲良くなったほうがいいよ」って言われて。なんてくだらないことを言う奴なんだろうと思って──ドラムのはっちゃん(畑野行広)がいたんで、その話をして、そいつの悪口で盛り上がったのが、はっちゃんと僕のスタートでしたね(笑)。

─すぐ気が合った?

フルカワ:はっちゃんと、今もHAWAIIAN6のスタッフやってる中村ゴウ、そのふたりととにかくウマが合って。すごいおもしろかったんですよ、話してて。だからもう、打ち上げの記憶しかない、みたいな。


HAWAIIAN6の安野勇太

─遅れて来た青春?


フルカワ:そうですね。僕、高校のときは、とにかく学校が合わなかったんで。ほんとに友達いなかったんですよ、1日中ギター弾いてて。で、上京して、同世代のハワイアンとかSTOMPIN’ BIRDとか、とにかくウマが合ったというか。一緒にツアーも行きましたしね。青春っていう言葉が年齢的に当てはまるかはわかんないけど、ほんとにそういう感じでしたね、楽しくて。

─その季節が終わりを告げるまでは、どれくらい?

フルカワ:2年ぐらいですかね。それが終わるのは、まあ、頭ひとつ抜けちゃうんですよね、HAWAIIAN6が。『FANTASY』ってミニ・アルバムを出したら、それがすごく売れて。新宿ACBにびっくりするくらい人が入ってたりして。そうなった時に、バランスが崩れちゃったんですよね。それまではほんとに僕らだけで──「民族大移動」って言ってたんですけど、1週目は渋谷で一緒にやって、2週目は西荻で一緒にやって、3週目は高円寺。関係者しか観に来てないし、それで打ち上げやってるだけなんですよ。でも、HAWAIIAN6を慕う若いバンドが増え始めて、はっちゃんのスタンスも少し変わったというか。お客がいることによって、MCが熱い感じに……まあ今のはっちゃんのMCですよね。それが俺からすると急に始まって、なんかイヤだったんです。急に他人事になった気がして、その現場が。あとはまあ、嫉妬もあって。

─それはまああるでしょうね。

フルカワ:うん。一抜けされて追いつかないし、どんどん差が開いていくし。その頃に僕、SCAFULL KINGと仲良くなるんですよ。TGMXさんからパンク以外の音楽を教わるようになって、どっぷりそっちに入って行って。練習もあんまりしなくなってたんですね。練習とかじゃなくて、まあ、どだい無理なんだけど、パンクスになろうとしてたっていうか。お酒飲んで、騒いで、ライブやって、っていう。でもTGMXさんと会って、また練習もするようになって。

─高校の頃に戻った?

フルカワ:そう、そもそも音楽に初期衝動を覚えて、どっぷりのめり込んだ頃に一気に戻る感じで。そうしてると「こっちの方が全然おもしろいじゃん」ってなって、HAWAIIAN6とは乖離していくんです。気持ちもそうだし、実際に一緒にライブをやることも減っていくし。その頃にthe band apartと一緒にやるようになるんですね。

─で、向こうは向こうで「なんだよフルカワ」みたいな。

フルカワ:間違いなくあったと思いますよ。俺、覚えてんのが、『PINK PaNK』っていうミニ・アルバムを作ってた時、レック(レコーディング)に勇太が遊びに来て。「Transient happiness」って打ち込みの曲を勇太が聴いて……俺は勇太がびっくりしてると勝手に思ってたんですけど、こないだ答え合わせをしたら「なんだこれ。何やってんだこいつら」って思ってたらしくて(笑)。そこは変な空気だったのはすごい憶えてます。

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