カリフォルニア大火災の原因は何か?環境保護主義者の責任だと発言する米政府

森林伐採を実施しようがしまいが、“キャンプ・ファイア”は防げなかっただろう。パラダイスの周辺地域に生える雑木は、2008年の火災によって既に消失していたのだ。「ビュート郡の火災発生地域では、約10年前の火災後に大規模伐採が実施された」と、環境団体アース・アイランド・インスティテュートのジョン・ミューア・プロジェクトに関わる生態研究家のチャド・ハンソンが、サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙に語った。実際に火災の延焼を早めた原因は、強風によって煽られた火が密集した住宅地と商業地区に次々と燃え移ったことによる。

しかし、ジンキ長官には評価できる面もある。彼の発言は、「現代の環境過激論者はいったい誰か?」という論議を呼ぶ疑問を提起した。何といっても、現代の文明社会が直面する地球温暖化問題のリスクの大きさは、かつて発生した工場から川へ排出された廃油が原因の火災による環境問題すら、ちっぽけなもののように思わせる。しかし今、“過激”とされる特定の環境活動家や気候問題活動家を挙げることはできるか? 地球温暖化問題に取り組む現代のマザー・ジョーンズやエドワード・アビーは誰だろうか? 作家で活動家のビル・マッキベンか? それとも石油パイプラインの建設に反対したスタンディング・ロックの人々か? または故ジュディ・ボンズのようなアパラチア山脈の勇者たちか? ボンズは、石炭採掘のために山が爆破されることに反対し、ブルドーザーの前に横たわった人物だ。2008年、ティム・デクリストファーは、石油・天然ガスの入札を妨害した罪で収監された。ペンシルベニア大学で社会学の教授を務めるダニエル・アルダナ・コーエンのように、資本主義の破壊的な性質や社会正義に強い疑問の声を上げた多くの学者もいる。環境団体サンライズ・ムーヴメントや米下院議員のアレクサンドリア・オカシオ=コルテスが提唱したグリーン・ニューディールは、人々に勇気と希望を与え、近い将来に影響力を持つ勢力となるだろう。

しかし、ここに挙げた人々を“環境過激論者”と呼ぶのは少々強引だ。それどころか我々の直面する気候変動問題のリスクの大きさを考えると、現代の環境問題活動家は決して過激とは言えない。悲劇的なカリフォルニア大火災は、我々に山火事の危険がある地域での暮らし方を見直させるだろう。同時に、我々が直面する危機を克服する目標を持ち、緊急性を感じながら気候変動問題にかかわる活動を再構築することこそが、今回の火災から学ぶ最も重要な点だろう。

別の言い方をすれば、今こそジンキ長官に“急進的環境保護主義”の本当の意味を教えてやる時なのだ。

Translated by Smokva Tokyo

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