カリフォルニア大火災の原因は何か?環境保護主義者の責任だと発言する米政府

カリフォルニア州マリブ、大火災は何万エーカーもの土地を焼き尽くし、多くの家々を焼失させた。(Photo by David McNew/Getty Images)

「我々の森林管理を妨げた環境過激論者に責任がある。この火災は絶対に彼らのせいだ」と発言をする米内務長官ライアン・ジンキ。政府の言う“環境過激論者”や“急進的環境保護主義者”とは、いったい誰を指すのか?

カリフォルニア州パラダイス周辺で発生した“キャンプ・ファイア”の火災現場を訪れた米内務長官ライアン・ジンキは、カリフォルニアで発生した史上最悪の火災の責任について言及した。10万5千エーカー(約425km2)を焼き尽くした同火災は、1万2600軒の住宅を焼失させ、81人の犠牲者を出した(2018年11月21日朝現在、1000人以上が行方不明になっている)。「我々の森林管理を妨げた環境過激論者に責任があると思う」とジンキは、ブライトバート・ニュース・ネットワークに語った。「この火災は絶対に彼らのせいだ」。

長官の発言はもちろん、たわごとだ。カリフォルニアの火災は、世界の先進国が大気中にCO2を排出し続け、地球が温暖化したことに起因する。カリフォルニアでは以前よりも雪解けの時期が早まり、風の吹くパターンも変わったために森林や草原の乾燥が進んでいる。結果、火災シーズンの期間は1970年代と比較して平均84日間延びた。より多くの人々が燃えやすい場所で暮らしているのだ。1990年代以降、カリフォルニア州、ワシントン州、オレゴン州内で新たに建てられた住宅の6割は、山火事のリスクの高い場所にある。つまり、より多くの人々と住宅が火災の危険にさらされている。

ジンキ長官の主張を、今一度検証してみよう。内務長官の言う“環境過激論者”や“急進的環境保護主義者”(彼は両方の表現を口にしている)とは、いったい誰を指すのか? ブライトバートが伝えたジンキ長官の発言によれば、火災の発生する数週間前、興奮した過激な環境保護論者たちがカリフォルニア州パラダイス周辺のなだらかな丘陵地帯へ続く全ての道をバリケードで塞いだために、森林警備隊が森林を伐採したり雑木林の整備ができなくなったという。結果として人々の安全を守ることができなくなった、と長官は主張している。

もちろん、米国森林局による森林整備を妨害しようとする環境保護論者など存在しなかった(大統領選において、パラダイスのあるカリフォルニア州ビュート郡ではトランプが勝利している)。ジンキによる“環境過激論者”という表現は、The Wilderness Societyのような環境保護団体に所属する教育水準の高い法律家を指していたように思える。同団体は材木業界による森林皆伐に反発して訴訟を起こしたが、そのようなケースは稀だった。米国生物多様性センターの収集した記録によれば、2009年から2017年の間に、森林局の管轄にあるカリフォルニア州とハワイ州の土地における植生管理プロジェクトに対して起こされた訴訟は、全体の約7%のみだった。

Translated by Smokva Tokyo

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