トレント・レズナーが断言「リサーチはマーケティングの仕事、作り手は気にしない方がいい」

ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー(Photo by Brandon Bowen)



ー以前はApple Musicにより深く関与していましたが、その経験から学んだことはありますか?

興味深い経験だったよ。でもマーケティングに延々と時間を費やし、オーディエンスが欲しているものを見極めようと気を揉んだ日々から学んだのは、やっぱり俺にはアーティストが向いてるってことだった。オーディエンスが求めるものを気にしすぎることは、作り手にとって良くないんだ。ライブのチケットを売るための戦略を練ることは大切だけど、ファンがどういう曲を聴きたがっているのか、そういうことばかりを考えていると身を滅ぼすことになる。「期待してたのと全然違う。がっかりだ」とか「予定調和すぎて退屈。期待外れ」とか、そういう反応をいちいち気にしていると気が滅入ってしまうんだよ。

インディ系のアーティストは特に、オーディエンスの反応を注視する傾向があると思う。「今みんなは何を聴きたがってるんだろう?」「この層のリスナー受けを狙うには、どういう要素を盛り込むべきだろう?」。そういうリサーチはマーケティングの仕事であって、アーティストのやるべきことじゃない。

ー作品の発表を目前に控えたあるラッパーにインタビューしたときのことなんですが、どういう存在になりたいかという質問に、彼は何度もこう答えていました。「俺はファンが求める存在であり続けたい」

間違ったことだとは思わないし、そういう考え方もあるだろう。ただエンターテイナーとアーティストは区別されるべきだし、俺はそのことを常に意識してる。俺は別にポップスターたちに腹を立てちゃいない。彼らは人々を楽しませる存在で、俺はそういう音楽に興味がないだけだ。カッコつけてると思われるのを承知で言うけど、商業的成功よりも自分が信じるアートを追求する人々を、そういうエンターテイナーと一緒にするべきじゃない。複数のソングライターに曲を提供してもらい、スタジオに何度か足を運んでヴォーカルだけ録って、アルバム用の写真を撮り、デザインは外部の人間に任せる。俺にとっては、そういうのってエンターテイナーのやり方なんだよ。

SONICMANIA 2018
日程:2018年8月17日(金)
東京:幕張メッセ
開場 PM20:00 / 開演 PM22:00
http://www.sonicmania.jp/2018/

Translated by Masaaki Yoshida

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