フレディ・マーキュリー、死と対峙したクイーン最後の傑作とは

病に侵されたフレディ・マーキュリーが死と対峙した、91年のクイーンのアルバム『イニュエンドウ』を振り返る。 John Rodgers/Redferns/Getty


一方で、マーキュリーが病状の悪化を加味して書いた『イニュエンドウ』の歌詞を強調するためのフォームとテクスチュアを探る作業は、バンドにとって気分のいいものではなかっただろう。彼は、文字どおり死にかけていた。レコーディング中に、バンド仲間の目の前で。この世でもっともつらい時間をもたらす経験だ。ダークユーモアを交えて歌っているが、『狂気への序曲』は、レコーディング中に始まったと言われているマーキュリーのエイズによる認知症との闘いを彷彿させる。



また、『愛しきデライラ』は、マーキュリーの愛猫デライラに捧げたスイートな別れの曲だった。

「一口一口を味わって、一瞬一瞬を大切にするんだ。荒れ狂う嵐に飲み込まれても」 と、バラード『ドント・トライ・ソー・ハード』でマーキュリーは歌った。曲を支えるチャイムのようなメイのギターとプロデューサーのデヴィッド・リチャーズによるコルグM1のプリセットサウンドは、80年代後半のブリットポップの影響を若干思わせる。

Translation by Naoko Nozawa

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