北原里英、リリー・フランキー、ピエール瀧インタビュー「カッコいいおじさん」のあり方

Takanori Kuroda | 2018/02/17 12:10

| 写真左からリリー・フランキー、北原里英、ピエール瀧(Photo by Yoko Yamashita) |

映画『サニー/32』の出演者、北原里英、ピエール瀧、そしてリリー・フランキーによる鼎談インタビュー。映画についてはもちろん、「“カッコいいおじさん”の哲学」についても語ってもらった。

今年春にNGT48グループから卒業することを発表した北原里英。彼女が主演を務め、白石和彌(監督)と高橋泉(脚本)の『凶悪』タッグによる完全オリジナル作品『サニー/32』が公開された。

中学校教師の藤井赤理(北原)が24歳の誕生日に拉致・監禁される。実行犯は、「犯罪史上、もっとも可愛い殺人犯」と呼ばれ、世間を騒がせた少女“サニー”の狂信的信者である二人。彼らは藤井のことを、成長したサニーだと信じて疑わないのだが果たして……?

この狂信者二人を演じるのは、なんと『凶悪』でも圧倒的な存在感を見せつけたピエール瀧とリリー・フランキー。今回もまた、忘れることのできない怪演っぷりを発揮している。

そこで今回Rolling Stone Japanでは、北原、瀧、そしてリリーによる鼎談を敢行した。

─まずは、北原さんがAKB48グループ卒業前の最後の主演映画として『サニー/32』に出演することになった経緯から教えてください。

北原 発端は、『AKB48のオールナイトニッポン』の「サプライズスペシャル」という回でした。そこで秋元康先生が、「北原が主演の映画を作ろう」と発表してくださったんです。ただ、AKB48のそういった企画は、途中で無くなってしまうことも結構あり、半信半疑で構えていたんですよ。秋元先生から「北原はどんな映画に出たいの?」と訊かれたときも、『凶悪』のような映画に出たいです!』なんて言ったものだから、そんなの実現するはずないだろうって。そうしたら本当に白石(和彌)監督に撮って頂くことになったので、最初は信じられなかったですね。しかも、このお二人と一緒じゃないですか。

─『凶悪』はどの辺りに惹かれたのですか?

北原 とにかく、観たときの衝撃がすごかったんです。特におじいちゃん(ジジ・ぶぅ)を殺してしまうシーンは、精神的にも本当ショックだったんですけど……。

リリー いや、ジジ・ぶぅは、殺されていいんですよ。

北原 もう、何仰っているんですか。殺されてもいい人なんて、この世に一人もいません!(笑) 

瀧 『凶悪』の、ああいうダークな世界観に惹かれたということは、人間のポジティヴな部分よりも、ネガティヴな部分、陰鬱な部分に興味を持ったということなんだろうね。ポジティヴな部分に正直か、ネガティヴな部分に正直かによって、その人の生き方は変わると思うのだけど、後者に対する正直な気持ちが北原さんは強いんじゃない?

北原 そうなのかもしれないですね。そういった映画の方が好きですね。自分自身はどちらかというと明るい性格なんですが、何故か暗いものや影のあるものに惹かれるというか。

リリー 北原さんは普段が真面目だから、『凶悪』に出てくるような人たちって、SF映画のキャラクターくらい遠い世界の存在なのかもね。

北原 それはあります。

リリー 俺や瀧の周りにはあんな連中たくさんいるから。人殺しばっかり。

北原 冗談を!(笑)。でも確かに、私にとって『凶悪』は別世界の話ですね。それに比べると今回の『サニー/32』は、ある意味では救いのある映画だなと思いました。それこそポジティヴな方向へ、最終的には向かっていくので。

リリー 『凶悪』には、いかにも悪そうな連中ばかり出てくるけど、『サニー/32』はいかにも悪そうな人は出てこないんだよね。

瀧 結構マヌケだしね、みんな。

リリー ネットを使って集まって悪いことしている連中の、邪悪な願望を抱えつつもどこかマヌケな感じとか、詰めの甘い感じっていうのが、すごくリアルに描かれている。そういう意味では『凶悪』に出てくるような圧倒的な悪人はいないし、ベクトルも全然違うよね。似ているのは撮影環境が劣悪だったってこと(笑)。

北原 あははは。白石監督が、「『凶悪』の5倍つらかった」と仰っていました。

瀧 『凶悪』では、雪はまだ降ってなかったからね。

リリー 雪じゃなくて、雹(ひょう)だよ雹!

瀧 (笑)。ホントに、「遭難するんじゃないか?」って感じの撮影でした。

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