北原里英、リリー・フランキー、ピエール瀧インタビュー「カッコいいおじさん」のあり方

写真左からリリー・フランキー、北原里英、ピエール瀧(Photo by Yoko Yamashita)



─現場での、皆さんの雰囲気はどうでした?

瀧 現場はもう、合宿みたいな感じでしたよ。

リリー 若いキャストはみんな、旅館のタコ部屋みたいなところで寝てたし、みんなで同じ銭湯に入ったりして。

瀧 ふと窓の外を見ると、どす黒い海が大きな波を立てていて。その音がこっちまで届くし、風がビューッと吹けば、窓がガタガタ揺れる。そんな中にいると、ついついダークな気分になってしまうので(笑)、それもあってみんなで楽しくワイワイやっていたところもありますね。

リリー 撮影場所が、新潟のものすごく辺鄙なところだったんですよ。コンビニまで車がないと行けないし、ちょっとした「旅」というか。コンビニに売ってるモノが一番のご馳走っていう。だって、撮影が終わるのが深夜1時とかだからさ。

北原 そうでしたね!(笑)。いつもリリーさんがコンビニでいろんなお菓子やパンを買ってきてくださるんですが、それだけが唯一の楽しみになってきて。

─せっかく新潟にいるのに、海の幸を堪能することもなく?

北原 そういえば、撮影現場の近くに「寺泊魚の市場通り(通称「魚のアメ横」)」というところがあって。そこでリリーさんが、ノドグロを買ってきてくださったこともありましたよね?

リリー めちゃくちゃ安かったんですよ。蟹も発泡スチロールの箱に8杯くらい入ってて2000円とか。それも買って帰って、旅館でお味噌汁にしてもらったね。なので結構、外出はしたかな。俺と瀧は空き時間も多かったし。最後は観光して帰ったよね。

瀧 リリーさんと車で行楽してこようってなって。燕三条まで行ったんですよ。刃物の町で、そこにアウトレットのショップがあるらしいと聞いて。

リリー すげえ買った。

瀧 気がついたらキッチン用品を10万円分くらい買っていました(笑)。

北原 かなり満喫しているじゃないですか!

リリー あ、でも泊まってた旅館の銭湯は気持ち良かったじゃない?

北原:確かに。私は当然女湯なんですが、男湯から瀧さんやリリーさんの楽しそうな声が聞こえてくるんです。「楽しそうだなあ」と思いながら一人で入っていました(笑)。

リリー 撮影終わって深夜になると、風呂場には撮影スタッフと俺達しかいないから、女湯から「カコーン」って音が聞こえると、「里英ちゃーん!」で呼んだりして。

瀧 そうそう。「おい、向こうでヤツは今、裸だぞ!」ってね。

リリー そのとき俺は瀧のアレをしゃぶってるんだけどね。

北原 え、そうだったんですか!?(笑)

瀧 そう、今回“も”ね。


Photo by Yoko Yamashita

─(笑)。今回、北原さんはすごく難しい役どころだったかと思うのですが。

北原 彼女が「覚醒」してからの演技がしっかりとできるか撮影前から不安でしたね。でも、ほぼ順撮りで進んでいきましたし、皆さんと一緒にずっと過ごしていたので、「この方たちの中で(演技するの)だったら大丈夫だ」という安心感もあって、何とか演じきることができました。

─リリーさんと瀧さんは『凶悪』以来、再び白石組でタッグを組むことになったわけですが、一緒にやってみてどうでしたか?

瀧 白石監督の映画に、リリーさんと僕がこういう役回りで出てくる時点で『凶悪』と被るわけじゃないですか。そこを敢えて「よし」としたということは、ある意味『凶悪』自体をもパロディにしているというか、カリカチュアしているし、『凶悪』自体を一つの作品として完結させないようにしているのかもしれないですね。あるいは、リリーさんと僕をここでもう一度使うことで『凶悪』の呪いを打ち消そうとしているのかも。

─ああ、なるほど。『凶悪』の見え方も違ってくるかもしれないですね。

瀧 それと、『凶悪』は実際にあった一つの事件を基に作られた作品ですけど、『サニー/32』はいろんなモチーフが幕の内弁当のように詰め合わせになってる。こっちの作品の方がポジティヴに感じるのは、根底にある暗くて重いテーマを、明るい色で強引にコーティングしているからじゃないかな。

リリー 毒を砂糖でコーティングしてるんだから、『サニー/32』の方がポップだしロック。ローリングストーン読者こそ観なければいけない映画ですよ。

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