若い世代に聴き継がれるオフスプリングー一方、アルバムのラスト曲「You Can’t Get There From Here」は、バンドにとって新たなアンセムになりそうですね。ヌードルス:そうなるといいね。あの曲のコード進行にはどこか心に残るものがあるんだ。あの曲では、誰もが頭の中に響いてる声について歌ってる。「おまえは成功できっこない」「上手くいくわけがない」「失敗するだろう」っていう声さ。それに対してデクスターは自分の信念に話しかけろと言ってるんだ。
ーこれはいつも思っていたことですが、アルバムの1曲目はいつも新たなアドベンチャーの始まりという感じがするんです。「Session」「Nitro (Youth Energy)」「Come Out Swinging」などなど、昔からそうじゃないですか。ヌードルス:ありがとう! そうだね。「Looking Out For #1」にしても、キーボードとギターのイントロであれっと思わせておいて、ババッて音でギターとデクスターの声が入ると、もうオフスプリングならではのサウンドになってしまうからね。
ーアルバムを作る時はどのように形にしていくのですか? コンセプトありきでアルバムを作ることはないですよね。ヌードルス:曲が出来次第、形にしていく感じだね。『Americana』のように、アルバムがどういうものになるのかが見えた時点で、曲をアルバムに関連づけるようなこともするよ。でも今回はそういうのはなくて、曲が上手くハマってアルバムになったような感じだ。「Light It Up」にしても、最後に出来た曲で、何かが邪魔してきても、そこに閉じ込められることなく、乗り越えて壁を突き破るということを歌っていて、結果としてアルバムを象徴する曲になったんだ。
ーアルバム全体のヴァイブス、エネルギーもポジティブですよね。人生の良いところ、悪いところ、いろいろひっくるめた上で受け入れて、エネルギーに変えているような印象がありました。ヌードルス:ありがとう! アップビートな曲も多いしね。「Get Some」にしてもロックしてるし、アップビートだから。「Ok, But This Is The Last Time」にしても、「Self Esteem」の再解釈みたいなところがあるんだ。二人の付き合いの中で、「OK、君が望むのなら僕はまたやるよ」という感じだからね。今言ってくれたように、悪いところもひっくるめてのポジティブなんだ。「You Can’t Get There From Here」での頭の中で響いてる声にしても、誰もがそういう疑問を自分の中に抱いてるからこそ、それを乗り越えるわけだから。
Photo by Daveed Benitoー2008年の「You’re Gonna Go Far, Kid」が、今年Spotifyで10億回のストリーミングを達成しましたが、この曲はTikTokでもかなりアップされているし、今また若い世代がオフスプリングを再発見しているイメージがあります。それは実感としてはありますか?ヌードルス:TikTokは知らなかったけれど、SNSで僕たちの昔の曲を再発見してくれてるのはうれしいね。ただ、オフスプリングのライブって、最前列にいるのは今も昔も常に若い人たちなんだ。僕たちはどんどん歳をとっていくのに(笑)。しかも最近では親と一緒に観に来てくれるから、それってけっこうクールなことだと思うよ。面白いことに、ブランドンは『Smash』が出た時はまだ生まれてなかったんだ。彼が最初にドラムで叩いた曲は、2008年の『Rise and Fall, Rage and Grace』の収録曲「Hammerhead」で。あの曲を最初に聴いた時にこれは何だ?と思って、それをきっかけにドラムを始めたらしいんだ。
ーエド・シーランも初めて買ったレコードがオフスプリングで、そこから時を経て、今年の5月に共演することになったんですよね。ヌードルス:彼が初めて買ったレコードは、2000年の『Conspiracy of One』なんだ。彼がまだ9歳の時だよ。「Million Miles Away」を鏡を見ながら歌ってたらしいよ。
エド・シーランと「Million Miles Away」で共演ー長い間活動を続ける秘訣、クリエイティブであり続けるための秘訣は何でしょうか?ヌードルス:自分のやってることに対する愛だね。スタジオでの制作はけっこう大変なんだけど、情熱を込めた仕事だからね。ライブで演奏するのは楽しいから大好きなんだ。長旅が続くと疲れるけど、一度ステージに立てばそんなことも吹っ飛んでしまうから。
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2025年4月26日(土)・27日(日)東京ガーデンシアター
2025年4月29日(火)Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)ホールA
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