ONE OK ROCKがAwichと激突 「頂点」を司る者たちのボーダーレスな競演

キング・オブ・ロックとヒップホップクイーンのコラボ

Taka(Vo)が「見せつけてやるよ、ベルーナドーム!」とシャウト。ONE OK ROCKのライブは「We are」から始まった。Takaの伸びやかな歌声とタイトでパワフルなアンサンブルで一気にドームを掌握し、いきなりピークを記録するような合唱と手拍子が響いた。

2曲目の、矢継ぎ早に言葉を吐き出すようなTakaのボーカルが冴えわたる「Take me to the top」ではステージから勢いよく炎が上がり、Toru(Gt)とRyota(Gt)がお立ち台の上で楽器を弾きながら頭を上下に振る。Tomoya(Dr)の躍動感あふれるドラミングとともに、ダイナミックさと緻密さを共存させ、巧みに緩急を付けて無尽蔵にグルーヴを高めていく様が見事だ。誇らしげに大きく両手を広げたTakaに大歓声が浴びせられた。


Photo by Masahiro Yamada


Photo by Masahiro Yamada


Photo by Masahiro Yamada


Photo by Kosuke Ito

Takaが「次に行く前に一言言っていいですか。Awich、激ヤバなんですけど。あそこ(座席)で見てて、伝説になるんじゃないかってくらい素晴らしいライブでした。ドームでヒップホップとロックが混ざることは歴史上そんなにないし、そんなことができるのが音楽の素晴らしさです」と語った後、自らとAwichの組み合わせを「ロックとヒップホップというより、キング・オブ・ロックとヒップホップクイーンだと称した。「Stand Out Fit in」で「そっちの方も見えてるよ?」と呼びかけ、さらにドームをひとつにし、「3、2、1」とカウントダウンすると、3万人がジャンプ。LEDスクリーンに歌詞が映し出され、固定観念に惑わされることなく自分は自分だと歌う大合唱が響き渡った。

Takaは「Awichのライブを観て思ったのは、不可能なことなんてないし、それをONE OK ROCKは証明してきた。彼女は近い将来、こういう大きいところでライブをやると思うので、その時は呼んでくれたら駆けつけます」と言って、共鳴を示した。半年ぶりのライブということでセットリストに悩んだそうで、「何の曲をやったらみんなが喜ぶか考えて、結局昔の曲やればよくね?って思った(笑)」と話し、未だに1stアルバムの曲を聴いてくれるファンに対し感謝を述べた後、1stアルバム『ゼイタクビョウ』に収録されている「欲望に満ちた青年団」を披露した。


Photo by Matty Vogel

最新曲「Make it Out Alive」はイントロが鳴った途端、ハンドクラップが巻き起こった。ストンプライクなリズムとTakaのがなるようなボーカルが特徴的で、広大なドームに映える扇動的な楽曲だ。Takaは何度も力強く左手を突き上げてオーディエンスを鼓舞し、間奏では会場全体でヘッドバンギングが沸き起こったと思えば、ジャンプ&大合唱に突入。新たなライブアンセムで最新&最強のONE OK ROCKを見せつけた。

Takaが「久々に封じていた扉を開けたいと思ってます。皆さんの喜ぶ顔が見たいから」と言って、「Mighty Long Fall」へ。曲中にAwichを呼び込み、大歓声の中、再登場したAwichがラップをかます。花道の先にあるセンターステージでTakaと合流し、2人は3万人と共にヘッドバンギング。キング・オブ・ロックとヒップホップクイーンの誰も予想していなかったコラボレーションに3万人が絶叫する中、TakaとAwichは笑顔を浮かべて固い握手をした。


Photo by Matty Vogel

興奮冷めやらないオーディエンスに対し、Takaが「じゃあこのままいっちゃおうか」と言って、「The Beginning」へ。Takaの歌い出しとともに、巨大な手拍子が響いた。Takaは左手をまっすぐ突き出した後、「ベルーナドーム! Make Some Noise!」と叫び、センターステージでToruとRyotaと共に頭を激しく上下させ、激情を高めていった。

アンコールは、客席にスマホライトの波が生まれる中、「Fight the night」から始まった。一音一音が極太のそぎ落とされたバンドアンサンブルが、不屈の闘志を歌うTakaの美しい歌声を際立たせ、会場が荘厳かつ幻想的な雰囲気に包まれた。Takaが「ステージの後ろに戻ったらAwichがハブ酒を持っていて、メンバー全員飲んだらちょっとテンション上がっちゃいました(笑)。この1曲でベルーナドームを無茶苦茶にして帰りたいと思います! 準備はいいですか? お前ら次第だぞ!」と言って、ラストは「キミシダイ列車」。Takaはアリーナエリアの外周を走りながら、オーディエンスと近い距離で歌い、LEDスクリーンにはRyotaとTomoyaの笑顔が映る。爽快なポップパンクと共に「マジで人生短いんだからな! 悔いのない人生を送れよ!」とTakaが3万人を鼓舞。“もういいや このまま死んだって”の歌詞の後に「そしたらどうなんだ! お前ら!」とさらに焚きつけ、マイクを向けた。大合唱が響く中、勢いよく銀テープが飛び、Takaが「一緒に‼」と叫び、今日イチの巨大な歌が響いた。


Photo by Masahiro Yamada

キング・オブ・ロックとヒップホップクイーンの歴史的な邂逅が実現したライブはこれからの音楽シーンの発展にとても重要な意味をもたらすだろう。そう強く思った。

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