PaleduskのDAIDAIが語る、音楽ルーツと創作の裏側(BMTHオリーのコメントあり)

ヒップホップ・シーンとのつながり

ーPaleduskはヒップホップ・シーンとのつながりも強いですが、今年8月に行われたヒップホップ・フェスのTHE HOPE 2023にもXansei with Friendsの一員として、Kaitoとともに出演しましたよね。

DAIDAI Xanseiは最初SNSでつながったんですよ。自分が日本に帰ってきた時にXanseiも日本に帰ってきて。そこから普通にリンクアップして、一緒に曲を作ろうってなりました。彼も元々メタルが好きな人で、アメリカに行ったのも、ギターで行ってるんですよね。向こうでいろいろな音楽に出会って、ヒップホップの方に行って、ビートメーカーになったと思うんですよ。自分はメタルもいろんなジャンルも、どっちも好きだったので、Xanseiとは気が合ったんです。彼がTHE HOPEに出るってなった時に、彼とKaito、JUBEEくん、Leon Fanourakisで作った曲があったので、それをXanseiがやりたいって言ってきたんです。



ーあれはマイアミのヒップホップ・フェスのRolling LoudにTurnstileが唯一バンドで出演したのを彷彿とさせましたね。

DAIDAI 面白かったですね。自分はあのイベントに出れると思ってなかったので。人もたくさんいたし、気持ち良かったですね。

ーヒップホップ・アーティストとの交流はどこから始まったのですか?

DAIDAI 初めてヒップホップ・アーティストとつながったのはHideyoshiですね。Hideyoshiのマネージャーのナツキが最初Kaitoと仲良くなって。ナツキはTokyo Young Visionのメンバーで、VIGORMANともスゴく関係があるので、そこがきっかけで一気に広がりましたね。DALUとも一緒に曲を書こうってなったし、Fouxともいっぱい曲を作りだしました。
日本を盛り上げて世界を巻き込んでいけたら

ー今年はPaleduskとして、ヨーロッパ、アメリカとツアーを回りましたが、特に手応えのあったところはありますか?

DAIDAI どこも最高だったんですけど、手応えで言ったらアメリカはスゴく感じましたね。アメリカは20カ所ぐらい、どこも平均1000人キャパで、全部ソールドで行ったんですけど、客の反応を見ると、全員が豆鉄砲を食らったような顔をしてくれたんです(笑)。一緒に回ったのが、オーソドックスなメタルコアなバンドばかりだったので、自分たちだけがちょっと見た目もスタイルも違う感じで。お客さんはスゴい食らってくれて、それでTシャツも売れたので、そこは数字でもスゴく実感できましたね。

ーすでに海外のレーベル、ブッキング・エージェントもついていて、サポート体制が出来ていますよね。

DAIDAI レーベルはオーストラリアはGreyscale Records、アメリカはSharptone Records、ブッキングを組んでくれるのがイギリスのAvocado Booking。この3つで海外のいろんなフェスとかツアーを組んでくれてます。

ーずっとインディペンデントで活動してきましたが、そこのこだわりは何かありますか?

DAIDAI その理由の一つとして、自分たちのやってるジャンルはニッチなものなので、そこへの愛がある人とじゃないと一緒にやりたくないというのがあります。この3つの会社はスゴく愛をぶつけてくれる人たちなので、そういう人たちと海外で一緒にやれてるのがスゴくうれしいんです。

ー2024年はどのような活動を考えていますか?

DAIDAI いっぱい爆弾を仕掛けてきたので、その導火線をつけるのはPaleduskだと思ってます。その爆風でどこまでも登れたらなという1年にしたいです。自分が一番大事にしてるのはPaleduskだし、自分はバンドマンなので。もちろんプロデュース業も大事なんですけど。

ー自分のことをプロデューサーだとは謳っていないですよね。

DAIDAI そうです。それはすべてPaleduskのためと、自分の勉強のためなので。でもその勉強もPaleduskの曲がより良くなるためにやってることなので。その集大成として、来年はもう2~3段階フェーズを上げられるかなと思ってますね。そこでPaleduskが中心となって爆発してくれたらなと思ってます。あと、世界中のいろんなトップ・アーティストの方たちと、これからも曲をいっぱい書けるだけ書きたいし、そこに自分の色をもっと出していけば、自ずと世界に自分たちの音楽が受け入れられやすくなるのかなと思ってます。他のジャンルのフィールドに呼ばれても、自分のスタイルは変えず、いつも通りのものを世界中でやろうと思ってます。ヒップホップに呼ばれたからと言って、普通にヒップホップのビートを作るんじゃなくて、自分が普段やってることをそのままやって、受け入れてもらえるようにはしていきたいですね。

ー長い目で見て考えていることは?

DAIDAI 自分はまだその立場じゃないですけど、最終的にはオリヴァーを始め、いろんな人たちが僕をピックしてくれたように、才能のある子がいたらバトンタッチできる立場になれるように、今のうちに固められるものを固めていきたいです。あと、日本はスゴく音楽が面白い国だと思ってるので、日本がより注目されて、日本がめちゃイケてるというのを、すでに今の世界が日本に注目してるところに、さらにブーストさせられたらなと思ってます。そしたらもっと面白くなって、自分ももっと良いアイデアをもらえるので、結果として、自分ももっと楽しく良い音楽を書けるんじゃないかなと思いますね。だから、日本を盛り上げて世界を巻き込んでいけたらなと思ってます。Paleduskが今のスタイルのまま、お茶の間にまで届くクラスになったら、けっこう事件になると思うんですよ。人生は一回だから、そこにチャレンジするのは、失敗、成功に関係なく、やる価値があるなと思うので、やってみようかなという感じですね。

◆オリヴァー・サイクス(ブリング・ミー・ザ・ホライズン)のコメント

「DAIDAIは何だってトライするし、恐れなんてない」

最初は確か、DEATHNYANNがSpotifyで出てきたんだよ。DEATHNYANNを聴いた時に、それを作ったのが誰であれ、一緒に曲作りをやりたいと思ってたんだ。スゴく狂ってるし、めちゃくちゃエクスペリメンタルだったから。そしたらオーストラリアのGood Things Festivalの時、DAIDAIから話しかけてきて、DEATHNYANNは全部自分が作曲してるし、自分のバンドのPaleduskもチェックしてくれって言うんだ。Paleduskもチェックしたら、スゴくクレイジーでね。それでDAIDAIに一緒に曲作りをやらないかって誘ったんだ。

その時点で『POST HUMAN』用の新曲を作ることは決めてたんだ。『POST HUMAN: SURVIVAL HORROR』ではミック・ゴードンをプロデューサーに迎えた経験があったから、『POST HUMAN』シリーズでは、プロデューサーとのコラボレーションで制作をしたいと思うようになったんだ。しかも新しいミュージシャンを探したかった。新たな生命を吹き込んでもらいたかったし、僕たちが自然にはできないようなことをやってもらいたかったから。

僕とDAIDAIが一緒に曲作りをすると面白いことが起こるんだ。まずDAIDAIからいろんなアイデアが送られてくるんだけど、僕にはトゥーマッチだと思うところもあって(笑)。そこから、「ここを変えて」、「ここは変えられる?」って言って。それでDAIDAIは変えてくるんだけど、2ndミックスが送られてくる頃には、僕は最初のミックスの方が大好きになってて。最初のアイデアに戻したりもするんだ。最初のアイデアを聴く時って、初めは「わからないな。どうなんだろう」ってなって、それで再び聴くんだけど、5回目ぐらいになると「最高だ」って思えてしまう。素晴らしいのは、音の方が僕たちにチャレンジしてくるところなんだ。例えば、曲の途中で突然ジャズっぽい感じになったりすると、最初は違和感しかないんだけど、結局はそこが曲の中でも大好きなパートになったりする。音楽を聴く耳にとってはチャレンジなんだけど、そのパートのおかげでその曲が忘れられないものになったりもするんだ。

DAIDAIのクレイジーなところは、制作のやり方だね。僕は完全にブットばされてしまうんだ。例えば、DAIDAIがバンドメンバー全員の前に現れる時も、きっとブリング・ミー・ザ・ホライズンのことは大好きだろうから、怖気づいてしまう部分もあると思うんだ。だけどDAIDAIはギターを手にして、すぐに100通りぐらいのことをトライして見せるんだ。このアイデアが良いとか、このアイデアが良くないとか、関係ないんだ。それをメンバー全員の前でやって見せるわけだから、めちゃくちゃクールだと思ったね。僕自身、シンガーとしてメンバー全員の前でいろいろトライして見せるのは気後れするものなんだ。でもそれって、エゴが強すぎるからなんだよ。DAIDAIは何だってトライするし、恐れなんてない。2日目に、DAIDAIからPaleduskの新曲を聴かせてもらった時は、まさに狂気の4分間だと感じたね。どうやって作るの? どうやって1曲の中にそれだけのアイデアを入れられるの?ってなったよ。普通のメタル・バンドだったら、全キャリアを通じて出てくるようなアイデアが1曲の中に入ってるんだから。完全にブットばされたね。DAIDAIのやってることは、正直、自分が一生をかけてもできないことだと思うんだ。それに、DAIDAIのように、本当にユニークで重要な才能を持った人に出会うことって、僕の人生の中でもめったにないことなんだ。本当、DAIDAIは僕に多大なインスピレーションをくれたよ。


左から、オリー、DAIDAI

<INFORMATION>


『PALEHELL』
Paledusk
BIG M RECORDS
発売中
https://lnk.to/palehell

『PALEHELL』 特設サイト
https://www.paledusk.com/new-ep-palehell-special

1. PALEHELL
2. SUPER PALE HORSE feat. CVLTE
3. TRANQUILO!
4. RUMBLE feat. Masato from coldrain
5. Iʼm ready to die for my friends feat. VIGORMAN 6NO!
7. Q2 feat. Kenta Koie from Crossfaith

【Blu-ray収録内容】※完全生産限定盤 PH COFFIN BOXのみ
海外TOURドキュメンタリー&メンバーインタビュー映像

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