#KTちゃん、DJ CHARIが語るコラボの裏側 ラップバトルで対戦後に楽曲制作

「東京ブギウギ」からの引用

ー この調子でお客さんも巻き込んで勝ちたいですね。CHARIさんと#KTちゃんといえば、#KTちゃんの3rd Digital Single「MERA MERA feat. DJ CHARI」でコラボしてますが、一緒に曲を作るきっかけになったのは、今話してもらったバトルだったんですか?

#KTちゃん:はい。私から、楽屋で仲良くなったあとに、一緒に曲やりませんかっていうことでお誘いして。



ー #KTちゃんから誘ったんですね。曲には「東京ブギウギ」が大胆にサンプリングされていましたね。

#KTちゃん:そうですね。10月から始まった、笠置シヅ子さんがモデルになってる朝ドラ(『ブギウギ』)を見て、興味を持っていろいろ調べてみたんですよ。彼女は戦後の暗いムードの中で、明るい曲を歌い続けて、ポジティブなエネルギーをお客さんに届け続けた方で。その姿が、すごいヒップホップだなって感じて。私自身もヒップホップの世界で明るいラップをずっと貫き続けてきたところがあったので、勝手ながらちょっと重なるというか、似た部分を感じたんです。

CHARIさんと曲を作ることはもう決まってたんで、笠置さんのことをCHARIさんにご相談して。そうしたら、「チャレンジ」っていうテーマで、今回は曲を作っていこうということが決まり、今回の「MERA MERA」ができました。

ー 確かに、バトルの中でもとにかく楽しい空間を作り上げようとする#KTちゃんと笠置さんは少し重なる部分がありますね。CHARIさんは笠置さんのことをご存知でしたか?

DJ CHARI:存じ上げなかったんですけど、「東京ブギウギ」は知ってました。CMでよく使われてるやつだ、と思って。今回それをサンプリングして曲で使えることになったので、1回「東京ブギウギ」をサンプリングしたビートを作ってみました。それでどんなものになるか、二人で相談して決めようっていう感じでしたね。

ー ちょっとレトロな感じがありつつ、めちゃくちゃ重くて太いベースが入ってきておもしろかったです。

#KTちゃん:レトロで明るい「東京ブギウギ」から入って、ヒップホップの方に世界が広がっていく感じのコントラストがいいですよね。

ー CHARIさんは#KTちゃんと曲を作るにあたって、ビートのこだわったポイントってありますか?

DJ CHARI:なんていうんですかね。重くするっていうより、ヒップホップの良さを残しつつ、うまく#KTちゃんと融合できたらなって。

ー ビートだけ聴いても#KTちゃんっぽさを感じるような、ポップさがありました。

DJ CHARI:ポップですね。でも、ヒップホップを好きな人が聴いてもかっこいいと思えるようなバランスを心がけました。

#KTちゃん:そうなんですよ。私自身もここまで重低音が効いてる、ヒップホップって感じのトラックに挑戦するのは初めてだったので。最初にこのトラックをいただいたときに、「このビートに私の声を、ラップを乗せていくんだ!」っていうワクワクするような、新鮮な気持ちで曲を作れました。

DJ CHARI:自分もこれ作ったときに、どうやってこのビートに#KTちゃんは乗るんだろうって、想像できなかったですね。(笑)でも1回ラフをぱぱっと送ってくれたときに、かっこよく乗ったのが返ってきて。

ー 乗りこなしてたんですね。先ほど曲のテーマを“チャレンジ”にしたって話してましたけど、リリックはどうやって書き進めていったんですか?

#KTちゃん:そもそもチャレンジっていうテーマを決めたときに、チャレンジするには「強さ」も必要だと思って。その「強さ」って何だろうと考えたときに、自分にとっては笠置さんみたいに、ポジティブなエネルギーを与え続けることだと思って。あとは、自分が弱さだって思ったものが、逆に強さになることもあると思ったり。いろいろな「強さ」に対して向き合って、リリックを作っていきましたね。

特に、フック前の部分が気に入ってて。“挑戦は100か0か 人生に刻み込む一歩”のところが、もうやるかやらないか迷ったときに「やる」っていう選択をして、自分の人生の歴史に1ページを刻み込むっていう決心というか、メラメラしてくフックに向かって助走をつけていくみたいなところが、自分の中でお気に入りポイントですね。自分を鼓舞できるようなリリックになったかと思います。

ー強さ、なるほど。CHARIさんは出来上がった曲を聴いてみてどうでしたか?

DJ CHARI:チャレンジっていうテーマがまずしっくりきましたね。#KTちゃんにも合ってるし、個人的には、自分のチームも今年はいろんなことに挑戦する年だったんですよ。それこそラップバトルもそうですし、野外で自分のワンマンライブをしたり、ハワイでトライアスロンに出場してみたり。そういう意味でも、自分にも合ってる曲ができたな、と思いました。


Photo by Kentaro Kambe

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