3Houseが語る、心地よさを追求するための「フロウ」の技術、海外アーティストとの初コラボ曲

3House

アンダーソン・パークやサンダーキャットに始まり、2020年代に入ってからは特にK-POPアーティストも積極的に取り入れ、さらに盛り上がりを見せる「ネオソウル」。そんなネオソウルの新星として日本で注目されているのが、シンガーの3Houseだ。メロウな歌声と心地よいフロウが特徴の彼は、ヒップホップやR&Bを自由に行き来するフットワークの軽さと、柔軟性を持ち合わせ、楽曲「FEELINGS」がバイラルヒットしたことにより、さらに幅広い層に日本のネオソウルを届けた。2023年にはアルバム『SWING A SOUL』をリリース。注目レーベル「YUPP!」に所属する、タイ出身のシンガーFlower.farとのコラボレーションも果たした彼に、自身の音楽のルーツや、楽曲制作について聞いた。なおFlower.farからのコメントも別途もらうことができたので、インタビューの最後に掲載している。

ーまずは3Houseさんのルーツ的なところを伺いたいと思うんですけども、元々音楽は好きだったんですか?

3House:好きになったきっかけは母親の影響があって。小さい頃からずっと音楽が流れてて、そこから多分染み込んでいったというか。車の中でR&Bとか聴いてて。あとはダンスも元々やってたので、そういうきっかけもありました。

ーどんなスタイルのダンスをされてたんですか?

3House:スタイルはヒップホップって言えばいいんですかね。中2ぐらいから始めて、そこから自分でも音楽を聴くようになって、より音楽に対する気持ちが強くなっていきました。

ーダンスを始めたきっかけはなんだったんですか?

3House:きっかけは、それこそちょうどマイケル・ジャクソンが亡くなった時期で、ニュースがすごい流れてて。それを見て、どういう人なんだろうって自分で調べて。元々母親が聴いてたので知ってる人だったけど、自分で改めて調べて衝撃を受けました。

ーちなみに人生で初めて、自分で行きたくて行ったライブってなにか覚えてますか?

3House:それこそラスベガスでマイケル・ジャクソンを追悼する、シルクドソレイユのショーがあって。親が元々ロサンゼルスに住んでたっていうのがあるんですけど、僕が20歳くらいのときに改めて行く機会があって、それを見たのが一番の衝撃だったかな。そのときダンスは既に始めていて、まだ音楽活動はしてなかったですね。

ー音楽を作り始めてから聴く音楽に違いって生まれましたか?

3House:洋楽とかが今まで多かったんですけど、アジアの音楽、特に韓国の音楽を聴き始めて、衝撃でした。主に韓国のR&Bとかヒップホップですね。

ー好きなアーティストはいらっしゃいますか?

3House:DPRとかoffonoffとか好きですね。韓国の方のサウンドにはすごいインスピレーションを受けます。またちょっと日本と違った空気感を持ってるというか、世界でアジア人として出すサウンドが魅力的で。ちょっと新しい感覚でしたね。

ー音楽活動についても伺いたいのですが、いつぐらいに本格的に始められたんですか?

3House:2018年ぐらいなんで、約5年前です。当時、周りで結構ラップとかが流行ってて。僕の友達は沖縄にいるんですけど、みんなで遊びながらその周りで作るのが流行っていて、それがすごい楽しそうだったから、僕も一緒にやり始めたって感じです。

ーサイファーとかもしてたんですか?

3House:サイファーはなかったんですけど、ピアノを弾ける友達がいて。その子がちょっとビートを作ってみたいってことで、僕の仲のいい友達みんなでその子の家に行きました。レコーディング機材とかも家に揃っていたので、そこで遊びで声を入れて、何かみんなで始めようぜみたいな感じ。

ーそれはめちゃくちゃ楽しそうですね。

3House:そうですね。みんなで遊びで作ってたんですけど、結構それが自分的に楽しくて。クリエイティブをするっていうか、昔から絵を描いたり物を作ったりするのが好きだったんで、多分その感覚で音楽を作って、すごく楽しくなってきて。

ー今は東京に住まわれてるんですよね。

3House:はい。4年前ぐらいから。

ー東京に引っ越してて、音楽制作になにか影響ってありましたか?

3House:そうですね、やっぱり沖縄にない物が東京にはあるので、どっちも良さがあると思ってます。沖縄のゆったりした雰囲気と、東京も東京でぜんぜん違う都会の雰囲気があって。そういう、どっちのいい部分も知ってるので、楽曲にも落とし込みやすいというか。東京に来て、その違いが知れたっていうのもすごく大きいと思います。東京で行き詰まったときとかは、地元の沖縄に帰ってインプットして、また東京に戻ってくることもあります。

ー東京に来てからは特にライブの数も増えたり、活動している期間も長くなって来ましたが、デビュー当時と比べて変わったことはありますか?

3House:特には変わったことはないんですけど、ライブをするっていう想定で考えてつくる曲だったりとか、あとはもう完全に聴いてもらう用に音楽を作ったりするようになりました。あと、始めたての頃よりは、音楽も聴くときにより敏感に感じるようになったと思います。でも根本的なところは変わってないです。


3House

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE