高橋ヒロムが語る、音楽とプロレスの夢物語、本気のチャゲアス愛

ファンクラブの「会員証」

―「SAY YES」はラブソングですけど、どんなところに惹かれたんですか?

自分は、多分曲調や耳心地の良さから好きになるタイプなんです。そのあとに歌詞を見る。だから当時は耳心地だけですよ。歌詞をじっくり見る年齢でもなかったので、本当に耳で聴いているだけだったと思います。あとは、お二人の声ですね。ASKAさんとCHAGEさんのハモリが素晴らしくシンクロするじゃないですか。それが理由でハマったんだと思います。そこから別のブックオフでベスト盤を買い、ファンクラブに入りたいなって思ったんです。

―すごいスピード感ですね。

これはもう入らないとダメだと。じゃあ、どうやったらファンクラブに入れるんだろうと思ったら、CDのいちばん最後に書いてあるインフォメーションに「電話をしてください」と書いてあって。電話をして、流れてくる住所に書類を送って、ファンクラブに入会しました。

―でも、中学生で年会費を払うって大変ではなかったですか?

月のお小遣いを3000円くらいもらっていましたし、お年玉とかも使いました。でも、年間で5000円したかしないくらいだったので、そこまでは。

―僕も小学生の頃、サザンのファンクラブに入ったことがありましたけど、更新できなくて。でもその熱量はすごく分かります。

それは悲しいですね。なんかファンクラブって表現が難しいんですけど、究極何もなくても「あなたのファンです」という証明書があるだけで満足しませんか? 僕、会員証のシステムがすごく好きなんです。いまも個人のファンクラブには入会しているんですけど、会員証が貰えるんです。それが嬉しくて。いまは、デジタルになっているものが多いと思うけど、スマホに入っている会員証なんて無意味ですから。形としてカードで会員番号何番と書いてあることに意味があるんです。

―新日本プロレスも会員証のシステムですか?

新日本もカードの会員証があります。ただ、新日本のファンクラブには全く興味がなかったですけど(笑)。だって、何でいずれ入門する団体のファンクラブに入らないといけないんだと思っていたので。だからサイン会とかも一切行かなかったんですよ。なぜ、これから戦う選手たちにサインを貰わないといけないんだと。

―中学当時から新日本プロレスに入ることを決めていた。

そうです。新日本プロレスに入るから、新日本プロレスの選手からは絶対貰わない。それ以外の選手とは写真を撮ってましたけど(笑)。

―ちなみにどなたとお写真を?

自分は、基本的にデスマッチを観に行っていたので、大日本プロレスの選手と写真を撮ってもらっていました。人生で初めて写真を撮った選手が葛西(純)さんです。

―そうだったんですね。ここでデスペラード選手と葛西さんを巡るストーリーが垣間見えてきました。

だからデスマッチをしていて羨ましいなと思うんですけど、自分はもしデスマッチをするのであれば、生涯に一度と決めているので。

―相手はやはり葛西さんがいいですか?

いやあ、分からないですね。そのときに上手いことストーリーが葛西さんと重なれば、それは葛西さんですし、違う人とストーリーがシンクロしていいものになるのであれば、その人とやりたいですし、誰とやりたいというのはないです。デスマッチを絶対にやらないといけないというものでもない。

―生涯一度きりの相手がデスペラード選手だと胸熱だなとファン目線では思ってしまいますが……。

それは、デスマッチじゃなくてもいいかな(笑)。


Photo by Mitsuru Nishimura

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