Dirty Hit新世代 ​​Pretty Sickが語るグランジ、日本の音楽、ファッションからの刺激

 
音楽への底知れぬ情熱、Dirty Hitと契約するまで

―昨年リリースされたデビューアルバム『Makes Me Sick Makes Me Smile』のリリースから約一年が経ちました。改めて、どんなアルバムを作りたかったのか教えてください。

サブリナ:高校生の頃からずっと、クラシックなグランジのアルバムを作りたかったんだ。曲の歌詞は、胸の内に溜め込んでいたものを吐き出していく過程で生まれてきた。それまでの数年間、私は精神的に追い込まれていて、どうにもうまくやっていくことができなくて、すごく辛い状況にいた。そんな状況下で作ったこのアルバムが、私の傷みを癒してくれた。それはまるでセラピーのような経験で、このアルバムのおかげで、過去を乗り越えて、私は前に進むことができたんだと思う。




―アルバムを作っているとき、日本の音楽をたくさん聴いていたそうですね。具体的にはどういったものを聴いて、どんな影響を受けたのでしょうか。

サブリナ:ドラマーのエヴァは、シティポップ、ジャパニーズ・ディスコの大ファンだよ。私はバンドが好きかな。プレイリストがあるから見せるね! Aya Gloomy、Asobi Seksu、ゆらゆら帝国、ヤプーズ、溶けない名前、World's End Girlfriend、Seventeen Years Old And Berlin Wall(17歳とベルリンの壁)、フリッパーズ・ギター、my dead girlfriend(死んだ僕の彼女)、Lamp、Luby Sparks……。

―へぇ!

サブリナ:日本の音楽は好きだよ。日本語のサウンドってすごく綺麗で、独特なリズムのフローを作るよね。英語の音楽とはまるで違うリズムだから、刺激を受ける。

―さらに60年代のフランス音楽、キューバ音楽もよく聴いていたとか。

サブリナ:父がキューバ人だから、よくフランスで過ごしてたんだよね。フランスってロマンチックで大好き! フランソワーズ・アルディ、セルジュ・ゲンスブール……昔のアーティストが好きかな。ドゥーワップも。50〜60年代の初期のドゥーワップにはすごく影響を受けてる。


Photo by Kana Tarumi

―プリティ・シックの音楽性については、90sグランジ/オルタナロックの影響を指摘されがちですが、一方で実はクラシックロックやハードロック、サイケロック、パンク等の要素も感じます。そちらの方で、好きなバンドはいますか?

サブリナ:ブロンディ、チープ・トリック、ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドはお気に入りのバンド。それから、ジャニス・ジョプリン、ピンク・フロイド、ローリング・ストーンズ。

―本当に幅広く聴かれるんですね。

サブリナ:音楽が大好きだから。音楽しか聴いてないよ! ポッドキャストも聴かないし、テレビも見ない。音楽以外に好きなものなんてない(笑)。唯一ハマってるテレビドラマは『マッドメン』で、3周くらい観てるかな。たぶんまた観る。


Photo by Kana Tarumi

―2020年にDirty Hitと契約を結びましたが、当時のあなたにとってDirty Hitはどのようなイメージのレーベルでしたか?

サブリナ:正直、レーベルと契約するなんて思ってもいなかったんだよね。長い間、全部自分でやってきてたから、そういう選択肢があることすら忘れてたくらい。2020年の3月だったかな、私が日本に滞在中に、ビーバドゥービーのマネージャーのクリスから連絡があったんだ。彼が私の音楽を気に入ってくれて、「ロンドンに戻ってきたら一度会いたい」って。数週間後、ロンドンに戻って彼と会った。その後コロナ禍に入っちゃって、私たちはパンデミックの最中に契約することになった。『Deep Divine』と『Come Down』は、コロナ禍にリリースされたんだ。パンデミックが収束した後、ツアーができたのはとても嬉しかった。レーベルのみんなは親切で、今のチームと出会えて幸運だと思う。特に、私のマネージャーのアマンダを紹介してくれたことにはすごく感謝してる! 彼女とは親友だよ。

―ご自身では、プリティ・シックのどのようなところが評価されてレーベルにジョインすることになったと思いますか?

サブリナ:クリスは、デカいスマッシング・パンプキンズのタトゥーを入れてるんだよね!

―(笑)。

サブリナ:ってことは、彼もグランジが好きでしょ? それに、当時はヴィジもレーベルに所属していたし、クリスと会った時に、彼はヴィジやビーバドゥービーがロックをやってるってことを話してくれた。すごくいいムードを持ってるレーベルだと思ったんだ。

―ありがとうございます。最後に、プリティ・シックは今後どのような存在になっていきたいか教えてください。

サブリナ:世界一のバンドになる!


Photo by Kana Tarumi




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Translated by Miho Haraguchi, Natsumi Ueda

 
 
 
 

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