Dirty Hit新世代 ​​Pretty Sickが語るグランジ、日本の音楽、ファッションからの刺激

 
ファッションの世界との繋がり

―その頃からファッションモデルもされていたと聞いています。こちらはどのようなきっかけで?

サブリナ:モデルを始めたのは、確か14歳の頃。ファッション業界でインターンとして働いていたら、モデルをやってみないかって誘われたんだよね。


Photo by Kana Tarumi

―ミュージシャンとモデル、2つのアイデンティティを10代前半の頃から両立してきたことは、自分の生き方や価値観にどんな影響を与えていますか?

サブリナ:2019年にモデル業を辞めたから、今はやってない。両親はモデルの仕事のことをかなり斜めにみていて、色々と口うるさく言われた。きっと私に没頭してほしくなかったんだと思う。私自身も、あまりモデル業について真剣に考えたことはなくて、若い頃にお金を稼げて良かったなって思ってるくらい。レーベルに所属する前に『Deep Divine』と『Come Down』(2020年、2021年発表のEP)を制作していたから、レコードとかライブの費用とか、そういった面での足しになった。モデルの世界で出会った人は素敵な人たちだったけど、モデルが世間に与えるボディ・イメージはよくないよね。親からは「減量しろって言われても、真に受けるな」って言われていたし。私は特にトラブルなく仕事ができてたからラッキーだったと思う。もし、今からモデル業界一本で働くとしたら、こんな気持ちでいられる自信はないかも(笑)。


Photo by Kana Tarumi


Photo by Kana Tarumi

―90年代と比べて、ロックとファッションのシーンは交流が減ってきている印象です。その中でも、あなたは両方のカルチャーを行き来して創作をしていますよね。

サブリナ:ソニック・ユース(のキム・ゴードン)がやっていた頃の、初期のX-girlは特に好きだったな。ファッションデザイナーをしている友達がたくさんいるんだけど、みんなはイベントやライブのために服を作ったりしてる。モデルをするより、そういった形でファッションと関わる方が私は好きなんだよね。

―以前、2019年にマノン・マカサエットとX-girlのエキシビションでライブするために来日していますよね。マノンとは親友だとか。何がきっかけで知り合い、いつから交流があるんですか?

サブリナ:日本には2018年に初めて来て以来、毎年足を運んでる。マノンとの出会いは高校生の時にVFILES(NYのファッションソーシャルメディア)で働いてた時で、その頃からずっと親友なんだよね。マノンはいつも私の音楽を応援してくれてる。もう音楽を辞めようって思った時期に、「続けた方がいい」って背中を押してくれたのは彼女だった。ディレクター、デザイナー、彫刻家、グラフィックデザイナー……あらゆる方面の才能に溢れていて、優しくて、まさに完璧。マノンは、今まで出会った中で初めての最高の友達。一緒にいると学ぶことがたくさんある。いつも私を応援してくれて、私も尊敬できる人と一緒にいられるなんて幸せだなって思う。


マノン・マカサエットがMVの監督を務めた「Bet My Blood」

―マノンとの友情を通じて、ファッションや音楽関係の交流が広がったところもありますか?

サブリナ:ええ、たまにね。バンドを始めた頃は、ミュージシャンとしてじゃなくモデルとして見られてるんじゃないかって不安になることもあった。今となっては過去の悩みで、そもそも「私はモデルだ」って強く思ってなかったことも大きいのかもしれない(笑)。もちろん、ファッション業界で出会ったみんなはとても素敵でずっと憧れてる。私は本当にツイてたんだと思う。

―今回の来日でも、モデル/アーティストの酒井いぶきさんやヒステリックグラマーの北村信彦さんらと交流している様子をInstagramにアップされていましたね。

サブリナ:いぶきとノブはすごく才能に溢れたアーティストだよね。2人が一緒に作った作品はすごく好き!

Translated by Miho Haraguchi, Natsumi Ueda

 
 
 
 

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