「世界を獲る」。CHAIがデビュー時から宣言しているこの夢は、夢で終わらない。すべての人の個性を肯定するべく、「かわいい」の価値観を広げるためのフレーズ「NEOかわいい」を掲げて活動する4人は、世界に照準を合わせて4枚目のアルバム『CHAI』を完成させた。CHAIは世界中に音楽を届けて、一人ひとりの生き方を変えていくことに本気だ。招かれる準備はできてる?
セルフタイトルに込めた「本気」
―CHAIの本気を随所から感じるアルバムでした。
マナ:よかった!
―どういう進化を見せたいと思ってアルバム制作と向き合っていたのか、まずそこから聞かせていただけますか。
マナ:「ザ・CHAIポップ」。ポップを作りたい。今までもバンドの域を超えてジャンルレスであることにこだわってきたんだけど、今回は1曲1曲がさらに個性的。アレンジはRyu Takahashi(2021年の前作『WINK』からタッグを組んでいる、アメリカ在住の音楽プロデューサー。坂本龍一、BIGYUKIなどの作品にも携わる)とずっと一緒にやって、海外寄りで、ニューウェーブなものやけど、その上に日本に住んできた私たちから素直に出てくるメロディを乗せたらすごく新しいものになった。「あ、これがCHAIポップや」って。音楽的にはまずそれを目指した。
―バンドサウンドに捉われない姿勢がこれまで以上に見えたところも、本気を感じた要素のひとつで。自分たちが弾いてない曲もあるし、自分のパートを他のプレイヤーが弾いてる曲もあって、それは思い切りが必要な選択だったと思うんですよね。
マナ:うん。でも音楽が第一優先だから。
―そういうことですよね。
マナ:そう。ジャンルレスというものにこだわり抜いた結果がこれなんだよね。ライブと音源って別だし。これが、パッケージとして出るときのCHAIだし。ライブは弾くし。
―音源優先に振り切ったと。何がCHAIをそこまで駆り立てているんですか。
マナ:うーん、夢が大きいからかな。ずっとグラミーも目指してるし。「NEOかわいい」を伝え続けて、「かわいい」の価値観を変える存在に世界になりたいし、自分たちが上に立つことでそれが変わると思うし。それが一番大きいかな。
―グラミーを夢として語ってるだけじゃなく、着実に動いているとスタッフから噂を聞きました。事実ですか?
マナ:事実です! エントリーしてる。
―じゃあもう、それを狙うためにやっていこうという意識がアルバムを作り始めるときからあった感じ?
マナ:そうだね。それにはやっぱりポップであることがすごく重要だった。自分たちの中で何がポップなのかが一番重要だった。
―オリジナリティのあるポップを作ることが大事だったと。
マナ:そう。真似じゃないポップが大事。だから「CHAIポップ」を目指した。