スーパーオーガニズム×CHAI対談 自由でパンクな2組が分かち合うもの

Photo by Kana Tarumi

 
2018年にとある番組の企画で出会う前から互いにリスペクトしていた、スーパーオーガニズムとCHAI。2018年のUK&アイルランドツアーや2019年サマソニでの共演などを経て、今年7月にはCHAIの新曲「HERO JOURNEY (feat. Superorganism)」、スーパーオーガニズムのニューアルバム『World Wide Pop』に収録された3曲と、2組がコラボレーションした作品が立て続けにリリースされる。そしてこの夏、スーパーオーガニズムはフジロック、CHAIはサマーソニックに出演が決定。Rolling Stone Japanでは、多国籍バンド・スーパーオーガニズムのフロントマンを務める日本出身のオロノと、この取材の翌日にはオーストラリアへ旅立った、世界的人気を積み上げ続けているCHAIの貴重な対談が実現した。その会話から学ぶことは一言で言えばこうだ――Don’t Think, Feel。

【画像を見る】オロノ×CHAI撮り下ろし(記事未掲載カットあり)

※2022年12月22日追記:スーパーオーガニズムによる2023年のジャパン・ツアー、東京公演にCHAIの出演が決定。詳細は記事末尾にて。


互いへのシンパシーとリスペクト

ーまずCHAIが思う、スーパーオーガニズム(以下、Super)の他の音楽にない魅力とは?

マナ:自由。ディズニーランドみたい。誰もがやりたかった音楽だと思う。

カナ:本当に自由だなって思う。音楽マニアって感じ。ライブも最高。

ユナ:音楽が日常にある。というか日常を音楽に落とし込んでいる感覚。

マナ:Superのおかげでバンドにこだわることが一切なくなった。スタイルにこだわらず自由に自分を出していてパフォーマンスが素晴らしい。良くなかったら良くないって言う、楽しかったら楽しいって言う。それが一番人間らしいから、それを大事にしようっていうインスピレーションをもらった。

カナ:音楽に表わす音とかメロディとか、全部がフリースタイルで。音楽ですべてが芸術に変わるから、何をやってもいいんだって思った。

ーユナさんが感じる、日常を音楽に落とし込んでいるというのは?

ユナ:りんごをかじる音とか、水をぽちゃぽちゃする音とか、日常にあるものを「あ、これって音楽だったんだ」ってハッとさせてくれたのがSuper。「音楽ってこんなに日常に溢れてたんだ」みたいな、自分になかった視野を突いてくれた感じ。


Photo by Kana Tarumi

ーSuperが日常的な音を曲に入れるのはどういう発想からですか?

オロノ:なんとなく。

ー理屈とか目的ありきじゃない。

オロノ:ない。全部テキトー。

ーこうやったほうがいい、みたいな狙いとか。

オロノ:ないないない。全部テキトーに、楽しんで作ってるだけだから。

ー日常的に「あ、この音は曲になりそうだな」みたいなアンテナを張ってる感覚はある?

オロノ:そういうのも特にない。「こういう音が必要だな、じゃあこれやるか」とか。普通に歩き回ってて「鳥の音いい感じだな、じゃあ入れるか」とか。そういう感じ。


Photo by Kana Tarumi

ーそんなオロノさんがCHAIを好きな理由はどういうところにあるんですか? 

オロノ:かっこいいから。

ーどういうところにかっこよさを感じますか? 

オロノ:基本的に日本の音楽をあんまり聴かないし、日本が嫌いだから、日本で気に入るバンドが全然いない。だから気に入るバンドを見つけると執着するくらいハマる。

ー日本で好きな音楽が少ないなかでもCHAIにハマったのはなぜ? 

オロノ:だってめっちゃかっこいいじゃん。俺より全然かっこいいと思う。センスいいし。俺センスないし。

CHAI:(笑)。

ーCHAIのライブのかっこよさは、オロノさんの目にどう映りますか?

オロノ:すっごいパンクロック。ジャンルとか音のことじゃなくて精神的にパンクなところがあんまり日本のバンドにはない。日本はパンクの精神が欠けてるから。そこがすごく伝わってきていいなと思う。

ユウキ:むしろSuperがパンクだと思ってたから。怒りも、怒りからのエネルギーも感じるし。

ーCHAIもSuperも中指の立て方が陽気ですよね。キャンディをまぶした中指を世の中に向けている感じ。だから一見かわいいんだけど、実はめちゃくちゃ狂気を感じる。

ユウキ:うんうん。

マナ・カナ:ありがとう。

 
 
 
 

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