我儘ラキアが語るチームワークの流儀 ギャル・ラッパー・アイドル・アーティストの融合

星熊とMIRIがステージで耳打ちしながら話すこと

—ラキアのライブに話を戻すと、MIRIさんはどうですか? 4人のチームワークではあるけど、星熊さんとMIRIさんがツートップだなとは思います。

MIRI:私はNo.2でありたいんですよ。No.1はあまり好きじゃなくて。No.2って1歩後ろに下がって周りを見るポジションじゃないですか。キャプテンは嫌で副キャプテンがいいというか、サッカーで言うと私はフォワードじゃなくて、ボランチやディフェンダーがいい。1歩下がって全体の様子を見て、例えば立ち位置がちょっとずれてたら、ここカバーしよう、とか。今日この子、体調悪そうだなとか、気分が上がってないなと思ったらタッチしに行ったり、一言声をかけに行ったり。クマが歌詞を飛ばしそうな瞬間って分かるんです。「あ、クマ飛ばすかも」って思ったら、自分がサポートしたり。

星熊:飛ばすとき、ものっすっっっごい飛ばすもんね。

一同:(笑)。

星熊:もう挽回できないくらいの勢いで。

MIRI:私はラップの人って思われがちなんですけど、それよりサポートする方が性に合ってるんですよね。No.2が好きです。もしかしたら他のアイドルさんだったら、「クマばっかり歌ってずるい」とか「私だってメインボーカルになりたい」とかあると思うんですけど、ラキアってそれぞれできることが違うから、個々に対してのリスペクトを持ってるんです。だから嫉妬心や羨ましいって気持ちは全くなくて、むしろそこで一番輝いていてほしいので、ダンスやらなくていいからボーカルで輝いてねって言えるグループなんですよ。苦手なことを伸ばそうというよりは、できることを伸ばしていこうというグループだと思っているので、他のメンバーが前に出てるときは後ろで支える。逆に自分が前に出るときは他のメンバーが全員喰らうくらいの意識でライブをやってますね。

L:素晴らしい。

—星熊さんはどうですか?

星熊:メインのボーカルだから、私の歌が下手くそだったら皆に聴いてもらえないし、イベントとかでも離脱が増えるわけじゃないですか。「ああ、この子たちやっぱダメだな」って。日本のアイドルって、まだネガティブに見られる部分があると思っていて、ちょっとクオリティが低かったりすると、「アイドルだから」で片付けられる。逆に上手かったら「アイドルなのに」ってちゃんと見てもらえるから、その微妙な具合を、人一番気にしないといけないと思って、歌は完璧にするようにしてます。あとはMCに関して、地方公演や単独ライブだったらみんなで一斉に喋ったりする時間的余裕があるんですけど、REDLINEみたいなイベントで15分や20分の短い尺の中で自分らのことを伝えるってなると、MCの時間も1分とか2分しかなくて。その1分でどれだけ自分らの魅力を伝えられるかって役割を担ってるんかなって思います。100点満点のライブを、150点とか200点にするのが自分の役目。ある意味、背負ってるところもあるというか、絶対にこの3人を、自分の歌や言葉で引っ張り上げたろって思ってます。でも自分、ダンスは踊れないですし、1人でやってる意識は全くなくて、持ちつ持たれつだけど、自分の得意分野で見たい世界まで絶対に連れて行ってやる……みたいな担当です。



—大胆かつ繊細。

星熊:わーってしゃべっててもずっと時計は見てるんで。MCの時間をはかってるんですよ。だからフェスのステージで時計ないと発狂するよね。

MIRI:うんうん。

星熊:まだ若手やし、時間が押したらダメじゃないですか。だから計算して、どうやってこの1、2分の間に収めようって、ライブしながらずっと考えてます。

MIRI:ラキアって、ここぞってライブのときにトラブったりするんですよ。REDLINEでもイヤモニが聞こえなかったり。あんな広いホールの真ん中でイヤモニなかったら絶対にできないじゃないですか。あとはベースの音が返ってこないとか、返しがぐちゃぐちゃになってるとか、そういうことがほんとによく起こるんです。不思議なことに。

星熊:大きいライブのときだけ。

MIRI:そう。そういうときに、みんな結構慌てるんで、冷静になって「大丈夫だから」って言うようにしてます。クマがマラソンの一番前で走ってラキアを連れて行ってくれるので、私は一番後ろで、疲れてきた人に「頑張ろう」って声をかける。このメンバーじゃなかったら多分みんなやってないだろうし、4人の絆は、どこのグループ、どのバンドよりも強いかなって思います。

星熊:ライブのやり方がスポーツにちょっと似てて。「どうする? 今どう?」って、曲間で一瞬話すんですよ。MCしてると客観視できないから、「もうちょっと話した方がいいんじゃない」って言ってもらったり。ライブ中の一瞬の間、10秒の間でしゃべるんです(笑)。私って思ったことを言うから、お客さんが求めてることがわかってなくて。そういうときにMIRIが、ハマってるかハマってないかのジャッジをくれるんです。

—ライブ中に星熊さんとMIRIさんが、ときどき耳うちして話してるのは、そういうことだったんですね。

星熊:「そのまま行け」って言われるときもあるし、「もうちょっと考えろ、一回お前落ち着け」「後ろで座ってこい」とか言われるときもある。座って水飲んで、様子見たりすることがありますね。

ーそうだったんだ。格闘技の試合のインターバルみたいですね。

星熊:そうですね。

—歌割が均等にあるわけじゃないのに、ちゃんと4者4様の存在感があるのは、まさにバンドと同じですよね。ラキアのライブがバンドっぽいのは、そういうことなんだろうなって思います。

星熊:MIRIにも言ったことあるけど、役割がはっきりしてるからお互いにリスペクトがあって、憎めない。みんなで支え合うみたいな。1個のものを4人で取り合うんじゃなくて、みんながオンリーワンだから。気持ちはプリンセスなんで(笑)。

一同:(笑)。

星熊:だから争わなくてもいい。もう1位なんだからいいじゃん、みたいな。

MIRI:前、Dragon AshのKjさんと話をさせていただいたときに、「俺らはベースしか弾けない、ギターしか弾けない、ドラムしか叩けない、歌しか歌えないからこのバンドをやってるんだよ」って話をしてくれて、ラキアもそうじゃん!って思ったんです。私からラップを取ったら何が残るんだろうってぐらい、今はラップしかないからラキアをやってるし、クマも、Lも凜ちゃんもそう。そういうところはアイドルっていうよりバンドマンに近くて、一人ひとりが楽器担当というか。その言葉をKjさんから聞いたときに、「確かに」って思いつつ、「こういうことか」って最近になってわかってきたところがあります。



<INFORMATON>


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宮城・仙台MACANA
OPEN 16:30 / START 17:00

[チケット]
https://eplus.jp/wagamamarakia/

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東京・Zepp Shinjuku
https://eplus.jp/wagamamarakia/

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