神はサイコロを振らないが向かい合った「心海」、4人が語る夢が叶いまくったアルバム

―「スピリタス・レイク」や「Popcorn’n’Magic!」は特にこれまでの神サイにはなかったアプローチですよね。

吉田:本当そうですね。これまでの自分の中になかったものを掘り出すのはすごくキツかったんですが、「もうやめる」と思った20分後にはまたギターを弾いてる。その繰り返しなんですよね。結局満足することはないんだろうなっていう感覚は、今回のアルバムで色濃く出てると思います。その上で「本当にいいものを作ろう」っていうみんなの意志があるなって思います。

―これまでにない曲が多くありながら、「Division」は神サイの王道をアップデートしたような印象がありました。

柳田:神サイって、例えば「Whatʼs a Pop?」とか生楽器以外の音もふんだんにちりばめているアレンジが多い中で、「Division」は硬派なロックというか、生楽器の音だけで構築することにこだわりました。小難しいことはせずに、ストイックなロック曲というイメージですね。

―歌詞では“言葉”というのが大きなキーワードになっていますが、それはRPGゲーム「FREDERICA」の主題歌というところが大きかったんでしょうか?

柳田:そうですね、「FREDERICA」は国王が言葉を奪ってしまって、言葉のない世界で物語が進行していくんです。今はSNSで誰かが言葉で人を攻撃していることを見るのも多い時代なので、せめてこの曲が響いた人から優しい人間になっていってほしいなと思いました。「六畳の電波塔」で歌っていることにも近くて、「同じ人間同士、なんでそんなに傷つけあうんだろう?」という疑問を込めた曲です。



Rolling Stone Japan 編集部

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