神はサイコロを振らない・柳田周作が語る、バンド結成秘話と作品作りへのこだわり

Rolling Stone Japan vol.23掲載/Coffee & Cigarettes 45| 柳田周作(Photo = Mitsuru Nishimura)

音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。神はサイコロを振らないの新たなロックアンセム 「修羅の巷」。唯一無二の歌声と圧倒的熱量を持つ楽曲。中心人物のボーカル柳田周作がソングライティングのこだわり、そしてバンド結成のストーリーを語ってくれた。

2020年に「夜永唄」がバイラルヒットし、同年7月に「泡沫花火」でメジャーデビューしたロックバンド「神はサイコロを振らない(以下、神サイ)」。卓越した演奏能力とポップでキャッチーなメロディにより生み出される彼らの楽曲は、エッジの効いたハードなロックからロマンティックで美しいバラードまで実に幅広く、現在は国内有数のフェスに多数参加するなどライブバンドとしても確実にファンベースを広げている。フロントマン柳田周作による文学的な歌詞世界と、聴く者の心のひだに染み渡るような表現豊かなボーカルもまた、「神サイ」の音楽性の要だ。

柳田が音楽に目覚めたのは中1の時。祖母が入学祝いで買ってくれたアコースティックギターがきっかけだったという。周りに楽器をやっている友人は一人もいなかったが、ヒット曲のコード譜がたくさん掲載された音楽雑誌を購入しては、好きな楽曲を歌いながら弾けるまで練習していた。
「当時add9というコードを使っている楽曲にはまってまして、それを神サイでも手癖のように多用していて。普通のメジャーコードと違う、ちょっと浮遊感のある響きはその時に学んだんですよね。気づけばギターにどっぷりハマり、中2の冬にお年玉でエレキギターを購入しました。ちっちゃい15Wくらいのマーシャルアンプも一緒に」



六畳一間の自分の部屋で、アンプにギターを繋いで初めて鳴らした時の衝撃は、今でも忘れられないという。

「あまりにも興奮してしまい、友人が遊びに来るたびにその音を聴かせていたら、いつの間にかみんな楽器を始めるようになっていました。中3の頃からコピーバンドを結成して、メンバーの家を練習場所に改装して毎日集まっていましたね。真夏は半裸でSIAM SHADEやFACTのカバーに明け暮れる日々(笑)。テクいこと(高度なテクニック)をやったもん勝ちというか(笑)、どれだけ速いソロが弾けるか?とか、どれだけ変わった拍子でリズムが取れるか?とか、そういうことで競い合っていた時代です」

Photo = Mitsuru Nishimura

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