キタニタツヤが語る、「抗うこと」の美学と「スカー」へ込めた想い

Rolling Stone Japan vol.21掲載/Coffee & Cigarettes 42|キタニタツヤ(Photo = Mitsuru Nishimura)

音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。数多くの有名アーティストへの楽曲提供や演奏参加など、シンガーソングライターの枠を超越して活躍するキタニタツヤ。TVアニメ『BLEACH千年血戦篇』オープニングテーマ「スカー」も話題を集める彼のこだわりとは?

Coffee & Cigarettes 42 | キタニタツヤ

「タバコを吸っていて良かったと思うのは、やっぱりコミュニケーションが円滑になること。今よりもっと若かった頃、例えば大人数で飲んでいるときとか、席が遠くてなかなか話す機会のないリスペクトしている先輩が、もし喫煙者だったら喫煙スペースについて行けば、二人きりでゆっくり話すチャンスが訪れるんです。一服している10分間だけでもその人を独り占めにできるわけですからね」

シンガーソングライターのキタニタツヤは2011年に音楽活動をスタートさせ、「羊の群れは笑わない」を皮切りにバンド活動を開始。2014年頃からネット上に楽曲を公開し、「こんにちは谷田さん」名義でボカロPとしても名を馳せてきた。2016年からはベーシストとしても活動を始め、2018年にバンド「sajouno hana」を結成。ヨルシカのサポートや、他アーティストへの楽曲提供など幅広く活躍している気鋭のクリエイターだ。多忙を極めるキタニだが、オフの日はこれまで漫画やゲームに明け暮れていたという。



「最近『うなぎ鬼』という漫画にハマっています。表向きは『裏社会モノ』というか、人生につまずき借金に苦しんでいた主人公が裏稼業に染まっていくストーリーなのですが、実は自らの内面と向き合う作品なんです。人の心の機微のようなものを描くのがとても秀逸で、自分の中でかなりヒットしました」

根っからのインドア派と思いきや、友人と夜な夜な飲みに行ったり、居酒屋で見知らぬ人と意気投合
したりすることもある。

「居酒屋とかで若者が一人で飲んでいると、大抵は近くに座っているおじさんやおばさんが話しかけてくれるから(笑)、最近はそれを求めて出かけることも増えましたね。あまり高級なバーとかへ行くと落ち着かなくなるので、焼き鳥屋とかそんなんばっかりですよ」

Photo = Mitsuru Nishimura Styling = Yuji Yasumoto Hair and Make-up = Tatsuya Suzuki

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