神はサイコロを振らない・柳田周作が語る、バンド結成秘話と作品作りへのこだわり

まるで秘密基地のような場所に集まり、とにかく爆音を出し合うことが楽しくて仕方なかったという。映画『ソラニン』に憧れ、「ああいうバンド活動に明け暮れる大学生活を送ってやるんだ」と夢を思い描いて大学の軽音サークルの門を叩くが、初日に部長と大喧嘩をしてしまう。
「エレキギターを背負って部室へ行ったら誰もいなかったんですよ。でもそこにマーシャルのアンプがあるのを見つけて、思わず自分のギターを鳴らしてしまったんですよね(笑)。そこに部長が入ってきて、『お前、何勝手にアンプいじってんだよ?』とすごい剣幕で言われたのでこっちも後に引けなくなってしまい……(笑)。『こんなサークル、絶対に入るものか!』と怒って飛び出したのですが、その時もう一人、見学に来ていた奴と意気投合したんですよ。そいつが後に神サイのドラマーになる黒川だったんです」



意気投合した2人は一緒にバンドを組む約束を交わすが、柳田の知らないうちに黒川亮介は別のバンドのドラマーになっていたという。

「裏切られたような、梯子を外されたような複雑な気持ちでしたね。『もうバンドはやらない』と決めて、一人で音楽活動を始めました。その頃ちょうどツイキャスに、弾き語りの動画を配信するのが流行っていて。僕は当時ギタリスト志望だったのですが、その動画を見ていたら『歌うのも楽しそうだな』って(笑)。そこからツイキャスで歌い始め、徐々に登録者数も増えていったんです」

Photo = Mitsuru Nishimura

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