illiomoteが語るフジロック出演への熱い想い、「破壊」をテーマにした新作EP

―「Hit on!」についても訊かせてください。歌詞に出てくるフレーズ “神様いてこの有様?”は良いこと言うなあって思いました。

MAIYA:そのパンチライン。わかります、わかります。

YOCO:ああ~嬉しいです! 聴いて下さった方に、「この部分いいね」ってめっちゃ細かいところを言われると、「良かった~」って。「Hit on!」と「BABY END」は暗いトーンの曲なんですけど、本当に、世の中救いようがないなって。私が読んだ本のあとがきで別の作家さんが、主人公が妊娠したり赤ちゃんを産んだりすることで物語が終わることを、「BABY END」って呼んでいて、社会が内向きになるにつれて、「BABY END」で終る物語が増えている気がするって書いていたんですよ。確かに、今多様性って言うけど、わざわざ言わなきゃいけないほど自由がないから言ってるわけで。あらゆるマイノリティの問題の中でそれぞれの立場を守るために戦ってる人がいて、みんな生きていくのがつらいと思うんですよ。その中で本当に救いようがないなって絶望してしまう場面もあるっていう、そういうリアルな世の中の暗さから私は逃げたくないし、どうしても歌詞に入れたかったんです。“神様なんかいねえじゃん”みたいな。

―そういう考え方が、これまで以上に色濃く出た作品になりましたか。

YOCO:前作『HMN</3』に引き続きっていう感じです。

MAIYA:前からちょくちょく入ってたよね。

YOCO:前作が「人類がもし滅亡するならワクワクしたい」っていうテーマだったんですけどそれと地続きで、「ワクワクの次は“破壊”っしょ」っていう(笑)。いったん楽しむけど、自分たちを貫くために戦わなければいけないこととか、少しでも前に進むために自分の何かを破壊して行けるんじゃないかなって。



―今回だけじゃなくて、2人の根底に常にそういう気持ちがあるということですよね。

MAIYA:まあ、パンクスなんで。

―「Hit on!」はそれこそパンキッシュなギターから始まりますけど、リズムは対照的にチープな感じで面白いです。

MAIYA:(小声で)これ、まだできてないんだよなあ。

YOCO:ははははは(笑)。

―そうですか(笑)。アレンジはどう仕上げようと思ってます?

MAIYA:ダンス・ミュージックとパンクな感じを混ぜられたらと思ってます。踊りたい、暴れたいみたいなところがあるんで、それができたらなって……歌詞はできてるんですけど、アレンジはまだ試行錯誤中です。

YOCO:前代未聞ですよね。

MAIYA:あと3日ぐらいでやらないといけないんですけど。

―喋ってる場合じゃないのでは(笑)。

MAIYA:いやいや、そんなことないです(笑)。今こうやって話したことによって、明確に自分の気持ちが整理されて、より良い感じになると思うので、大丈夫です。

YOCO:制作はいつもギリギリで完成するんですけど、今回はとくにギリギリですね。

Rolling Stone Japan 編集部

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