illiomoteが語るフジロック出演への熱い想い、「破壊」をテーマにした新作EP

illiomote(Photo by 大橋祐希)

YOCOとMAIYAからなるユニット・illiomoteが、「FUJI ROCK FESTIVAL'23」初日となる7月28日(金)の苗場食堂に初出演する。

結成当初からの念願であったというフジロック出演に向けて制作されたのが、新作EP「I.W.S.P」だ。作品ごとに変化を遂げてきたilliomoteだが、今回はこれまで以上に多くのリスナーに聴いてもらうため、よりロック、ポップテイストを前面に押し出したライブ感のある楽曲が並んでいる。とはいえ、クセの強さはこのコンビならでは。フジロック出演への意気込み、世の中に対する姿勢等、今作を取り巻く様々なことを語ってもらった。ちなみに、取材の時点でEP収録曲の一部は試行錯誤しながらの鋭意制作中。果たしてどんな作品に仕上がったのか? フジロック前後、リリース前後で繰り返し読んでみてほしい。

【写真】illiomote、撮り下ろし写真(全20枚)

―「I.W.S.P」はもうすぐ完成ということですけども、聴かせてもらったら前作までとだいぶ印象が違いました。

MAIYA(Gt,Sampl):毎回違うんですよ。よくないんだよな、それって(笑)。

YOCO(Vo,Gt):それがilliomoteの面白さだって言ってくれる人もいるんですけどね。やっぱりある程度まとまった系統の方が聴きやすいっていうリスナーの方もいっぱいいると思うので、違う面も見せつつ、同じ雰囲気でまとめられたらなと思って作りました。

MAIYA:最初のEPを出した2020年頃はライブがなかったので曲作りにライブのことが反映されてなかったんですけど、今回は特にライブを意識した歌やアレンジにして、「もっといろんな人に聴いて欲しい」という思いで作りました。あと、前は2人でサンプラーを使ったセットでのライブだったんですけど、今はドラム、同期、ギタボ(Gt.Vo)、ギター、シーケンスっていう編成でやるようになったことも大きいです。今は2人ともやっとライブに慣れてきて、今年からお客さんとの会話もするようになってきました。

YOCO:最近は地方でも、「キャ~!」みたいに声を出してくれるギャルとかも少しずつ増えてきて、「ここはうちらに任せといて!」みたいに言ってくれたりとか。やっと闇を抜けて明るい空気が流れてきて、今年を皮切りに今後もっと楽しくなってくるのかなっていう予感はしていますね。

―とくにライブを意識して作った曲を挙げてもらっていいですか。

YOCO:「MY SUPER GOOD FRIEND」の、(クラップしながら)“S・U・P・E・R・G・O・O・D フレンド!!”の部分、ここは昔からあるみんなが知ってるリズムだと思うので、お客さんがうちらのことを知らなくても、「なんか楽しいじゃん」ってライブで感じてもらえると思うんですよね。「I.W.S.P」も、ちょっと琉球音階みたいなところがあって、”フレーバー フレーバー フレーバー 夜明けのキスのフレーバー“ってめっちゃキャッチーで、ギターとかもユニゾンでメロディを奏でてもらうことによって、そこがクッキリしているというか。歌いたくなる感じをすごく意識しました。

―今回、全体的にかなりギターが前面に出てますよね。

MAIYA:ギターがアイデンティティなのを忘れてたなと思って(笑)。3rd EPの頃はよくクラブに行ってた影響で、クラブ・ミュージック寄りになってあまりギターを入れなかったんですよ。でも今回は意識的にギターを増やしました。

YOCO:そこは当初から「ギターをもっと聴きたいよね」みたいな話で、ギターから考えて作るようなやり方もしました。

MAIYA:ギタリストって、リフから作るじゃないですか? でもそういう作り方を1st EP以来しばらくやっていなくて。今回の曲だと「BABY END」はリフから、今までやったことのない作り方に挑戦してみました。これに歌をつけるのはすごくむずかしいと思ったので、YOCOにキーだけ教えてメロディを送ってもらって、貼り付けて組み立てました。

YOCO:「BABY END」には「こんな感じになったんだ!?」みたいなハラハラ感、今までで味わったことのない感じがありましたね。

Rolling Stone Japan 編集部

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