辻陽太が語る、ストロングスタイルとオリジナリティの探求で手に入れる「世界一」の称号

自分の正義を振りかざすための「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」

―辻選手なりのストロングスタイルの提示をしたかった。

とはいえ、俺がストロングスタイルを語るのは違うと思っていて。ただ、俺の中に流れる血の中には新日本の遺伝子はある。道場で育ち、ちゃんこ番もやって、頭も丸めて雑用をしながら育ってきた。新日本のストロングスタイルが何にせよ、俺が思うプロレスをしたいなというところです。

―いちプロレスファンとして気になるのは、辻選手がデビュー戦前に新日本プロレスワールドのインタビューで答えていた、「プロレスラーとして目標にしている選手が3人いる。それはまだ言いたくない」という件でして。これはまだ教えていただけないですか?

2人なら公表できます。予想通りだと思いますが、1人は棚橋(弘至)さん。元々、自由が丘の駅で「プロレスラーになれよ」と大学時代に声を掛けてもらったことがあって。そこから、社会人になり物足りないなと思っているとき、深夜の「ワールドプロレスリング」を観て、棚橋さんの言葉を思い出すことになるんですけど、そのときの試合というのが内藤(哲也)さんが2016年両国でオカダに勝って、IWGPヘビー級のベルトを放り投げた試合。それを観てカッコいいなって思って。なので、2人目は内藤さん。いまとなってはロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに入ったので、こじつけだと思われてしまうかもしれないですけど、そこにはちゃんとストーリーがあるんですよ。

―ロス・インゴ入りに関しては、遠征前の最後の試合で内藤さんと試合を行ったこと、そしてメキシコに行ったことも含め、縁のようなものを感じたんでしょうか?

そうですね。ヤングライオンで経験した縛りのようなものから海外遠征で解放され、もっと自由に好きなようにプロレスをやりたいと思ったんです。上から縛られているようじゃプロレスラーとしても魅力を感じないし、自分の思うこと、自分の正義を振りかざすということをしたいと考えたとき、やはりいちばんに思い浮かぶユニットはロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンですよね。

―なるほど。そして今回のG1には、NOAHから清宮海斗選手が参戦しますが、近年NOAH、全日本プロレスを含め、他団体との絡みも増えてきました。そこに対してはどう思われていますか?

やっぱりプロレス界を盛り上げるという点においてはメリットのあることだと思います。その中で、俺がやりたいのはジェイク・リー選手ですね。

―それは華のある試合になりそうですね。やはり彼からは特別な何かを感じますか?

感じます。纏うオーラ、上品さ、色気。ジェイク・リーに関しては素直にいいプロレスラーだと思います。緑のマッチ棒とは大違いですよ(笑)。

―辻選手は、G1初戦で清宮選手と対戦しますが、先日ABEMAでNOAHの後楽園大会を観ていたんですけど、辻選手の登場に驚かされました。

彼が初戦ということもあり、これまでいろんな種を蒔いてきたつもりなんですけど、そこに対して何もアンサーがない。来たかと思えば、「お前には興味がない」と(笑)。いやいや、「初戦は辻陽太、札幌の主役はいただきます」とツイートしていたし、ずっとオカダ、オカダと言っていたくせに、今回はSANADAしか興味ないんかい!と(笑)。

まあ、別にどうでもいいんですけど、話が噛み合わないので行ってやろうと。ただ行ったら行ったで何もしてこないし、正直、こんなの初めてですよ(笑)。



―選手として、彼のことはどう思っていますか?

試合うんぬんよりもプロレスラーとして試合以外のところでも話題を作るというか、注目を集めることが大事だと思うんです。それを彼は出来ていない。そこは勿体無いなと。

ただ、清宮が俺のことをシカトしたからこれだけ話題になったわけで、彼が意図的にこれをやっていたら、俺の完敗ですよね。まあ、99.9%ないと思いますから、今回のG1ではそういう部分も学んでいただけたらと思います(笑)。


Phto by Mitsuru Nishimura

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