26歳のプロレスラー清宮海斗が語る、道場の大切さと世代観

清宮海斗 (Photo by @ogata_photo)

プロレスリング・ノアの前GHCヘビー級王者・清宮海斗にインタビューを実施した。撮影・取材場所は同団体の道場。「NOAHらしさ」を体現する一人として、NOAHマット内外で幅広く活躍をしてきた彼だが、2023年、新日本プロレス・IWGP世界王者のオカダ・カズチカ戦、ジェイク・リーとのGHC戦で敗れ、現在は再起をうかがっている状況。そんな彼にとって道場は特別な場所だ。「生意気かもしれないけど、とにかく自分が活躍するところを見せることで、自分と同じくらいの世代の人たちが活気づくきっかけになればいいと思ってます」と語る。輝かしい未来に向けて、彼は道場でまた一日を過ごす。

【写真を見る】NOAHの道場で汗を流す清宮

—2月のオカダ戦の後にTwitterで、「今日は、ゆっくり身体を休めようと思ったけど……なんか落ち着かなくて道場にきました」とツイートしていましたよね。道場に来ると気持ちの切り替えができるんでしょうか?

清宮:デビュー前からずっと道場が自分の居場所で、道場で一日過ごしてるような時もあったんです。ここに来るとなぜか落ち着いて身体を動かしたいなって気持ちになるし、身体を動かすとやっぱりスッキリする。パーソナルスペースと言いますか、自分の気持ちの雑音を消すことができる場所ですね。

—閑静な場所にあるから、集中できそうですね。

清宮:そうですね。(練習してる時の)音はどうしても出ちゃうのですが、周囲のご近所さんにもプロレスやってることを説明してご理解いただいて、安心してできます。子どもたちが練習を見に来ることもあるんですよ。

—清宮さんは道場によく行かれるのですか?

清宮:選手や練習生が住む寮が家の近くにあるんです。普段は寮で過ごして、練習の時は道場に来る感じですね。僕はオフの日も来ていて、なるべく毎日来るようにしてます。


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—合同練習の他に、清宮さんが道場で毎日ルーティンでやってることって何かあるんですか?


清宮:あります。僕の場合、合同練習以外はウェイトトレーニングが中心になりますね。合同練習は腕立て伏せだったり腹筋だったり、器具を使わないでやる練習が多いので、個人ではそれ以外の重りを使ったトレーニングを中心にやってます。


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—だいたいどれぐらいの時間やるんですか?


清宮:1時間ぐらいです。長くても2時間以内。集中してパッと終わらせますね。ウェイトは合同練習の後にやることが多いです。ルーティンとして11時から合同練習が始まるんですけど、そこからだいたい4時ぐらいまで道場にいるんです。その間、業務上の連絡も道場でやり取りします。お昼ごはんは新弟子がちゃんこを作るので、近くの寮で食べて、とにかくずっとこの付近にいる感じですね。後輩とコミュニケーションをとったりするのも道場になります。

—この道場に通ってどれぐらいですか?

清宮:昔はディファ有明ってところに道場があったんですけど、そこが取り壊しになって移動せざるを得なくなってしまって。それが2018年の1月なので、4年間ぐらい。ちょうど僕が海外に行ってる時期で、海外から帰ってきた時にこの道場ができたんです。

—大一番を終えた後、道場に一人来て何を考えるんですか?

清宮:オカダ戦の後には次のタイトルマッチも決まっていたので、状況的に止まってる時間もあんまりなくて、この先どういうふうに進んでいこうかって前向きに考えたかったんです。僕はプロレスがすごく好きなので、好きな空間にいると前向きなことを考えられる。その時は、いろいろ悩んでても仕方ないし、思いっきりやるかって踏ん切りがつきました。

—それは試合直後の気持ちとは全然違うんでしょうか?

清宮:そうですね。1日経って何しようって思った時に道場に来たら、自然と力が湧いてきて。リングがあって器具もあって、プロレスに没頭できる場所がすぐ近くにあるって、本当に恵まれてるなと思います。

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