26歳のプロレスラー清宮海斗が語る、道場の大切さと世代観

理想のプロレス像

—清宮さんはご自身のプロレススキルを現状どう捉えてますか?

清宮:これから学びたいこともやってみたいこともまだまだたくさんあります。もっともっと伸ばしていきたいなって思ってますね。僕はスタイル的に、ヘビー級の中でも小柄な方だと思うんですけど、よく言えばすばしっこい動きができるし、身体が大きい人より受け身がうまく取れる自信がある。そういう良さは絶対伸ばせると思ってます。

—自分の中で、具体的にここは伸ばさなきゃいけないと思う部分はありますか?

清宮:ありますね。専門的な話になっちゃうんですけど、スタミナだったり、やられてもやられても立ち上がる部分は誰にも負けたくないと思っていて。そういう“受け”のプロレスリングを追求して、うまく試合に落とし込んでいきたいです。NOAHといえば受けっていう風にファンの皆さんも言ってくださるんですけど、それが完成していけば試合のスタイルもまたちょっと変わっていくと感じているので。柔道やレスリングにも受けってあると思うんですけど、プロレスで一番突出してる部分だと思うんですよね。だからこそ、受けをうまく使った選手になりたい。

—なるほど。そう考えると、こうして身近にリングがある環境っていうのは最高ですね。

清宮:そうですね。自分がリングに立って、相手と対峙して、例えば自分がコーナーに行ったら相手もコーナーに寄ってくるだろうから、じゃあこういう動きをしようかなとか。そういうイメージが、リングを見てるときに一番湧いてきますね。


Photo by @ogata_photo

—試合前、相手選手のことを考える時も、リングを見ながらイメージしますか?

清宮:はい。自分と同じぐらいの体格の人だからこういう感じで来るだろうなとか、今回はデカい人で重みの部分で攻めてくるだろうから、そしたらちょっと外に逃げて時間取ろうかなとか、そういう部分をイメージしてます。

—そう考えるとすごくクリエイティブな作業ですよね。四角い空間でどういう動き方をするのかって。

清宮:そうですね。試合の勝敗にも関わってくるので大事だと思います。


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—オカダ戦の前も、細かくイメトレしてたんですか?


清宮:はい。

—先輩の小川良成さんがオカダ戦の清宮さんについて「オカダになくて、清宮にあるものをまったく出せてなかった」という感想を述べていましたが、ご自身としてはオカダさんになくて清宮さんにあるものとは何だったと思いますか?

清宮:僕は小川さんからアドバイスをすごくいただいてるので、自分の中では多分これだなって思うものはありますね。それが何かは言えないのですが。

—そこは次に繋げる課題なんですね。

清宮:はい。こんなにありがたいことは本当になくて。練習もゼロから小川さんに見ていただいて、プロレスのいろはを教えていただいて、普段の話も全部ためになりますし、ありがたいです。

—そういう人たちの想いも背負いながら、「俺がNOAHを引っ張って新しいプロレスの世界を見せなきゃ」みたいな責任感みたいなものって、前より感じていますか?

清宮:それはずっと思ってますね。ただ、そこでいろんな壁に直面することが多くて、その壁を日々乗り越えながら今までやってきたんですけど、その根底には自分と近い世代の人間でNOAHを変えていきたいって気持ちがある。今一緒に合同練習してる世代だったり、僕が若い頃にお世話になって一緒にデビューさせてもらった先輩方だったり。上の世代じゃなくて、今いる仲間と一緒にNOAHを世の中に発信していきたいって想いが一番の僕のエネルギーというか、やる気に繋がっています。昔から自分が観ていた、ずっとNOAHを引っ張ってきた丸藤(正道)選手や杉浦(貴)選手の試合の他にも面白い試合がいっぱい出てきたら、NOAHはもっと大きくなって広がっていくと思うし。面白い試合の形を一つじゃなくて二つ三つ、プラスしていきたいってずっと思ってますね。

—それはちょっとずつ実現している実感はありますか?

清宮:はい。自分より下の世代の選手とタッグを組んで、対戦相手が上の世代でだった時、ものすごいエネルギーを感じますし。若い選手がベルトに絡んでくる機会も徐々に増えていて、NOAHが変わってきてる大事な時期だなって感じてます。


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