THE SUPER FLYERSとorigami PRODUCTIONSが振り返る、共作アルバムの背景、SKY-HIの存在

全員が「楽しく良い作品作ろうぜ」っていう気持ちで取り組んでいた

―(笑)最初のミーティングでSKY-HIさんからコンセプトが提示されて、そこからそれぞれが並行して楽曲を作っていったのか、それとも1曲1曲進行させていったのか、どういう感じだったんでしょう?

Suzuki:TAKさんがバンマス的な感じで大枠を決めて、しかも方向性もいくつか提示してくれたので、抽象的だったイメージが一気にクリアになっていきましたね。

関口:それまではTAKさんのギタリストとしての顔しか見たことがなかったんで、舵取りをされている姿を見て、「めっちゃリーダー! お願いします!」って感じでした(笑)。

TAK:お恥ずかしい(笑)。

―SKY-HIさんの「リインカーネーション」はmabanuaさんがアレンジを手掛けていますが、それをさらにmabanuaさんがリアレンジした「リインカーネーション -Still we Live-feat. SKY-HI(Prod. mabanua)」が『Here, We Live』には収録されています。これはどういう発想から生まれたんですか?

TAK:これは僕のわがままです(笑)。僕、「リインカーネーション」がすごく好きで、よくSKY-HIのライブのセットリストに入れようとするんですけど、大体外されるんです(笑)。この曲は輪廻転生を歌った曲で、アルバムを作った当時はコロナ禍ということもあり、リアレンジすることで新しい世界に進むメッセージになるかなと思って提案しました。

mabanua:オリジナルは打ち込みですけど、今回みたいにバンドでやるのであれば、決めをいっぱい入れたり、ライブに近いアレンジにしたくなるんです。でも、ブラックミュージックのライブのドラムってものすごい手数あるので、ドラムのもっちー(望月敬史)には申し訳ない気持ちがありました(笑)。ただ、自分がアレンジした曲をまた自分がリアレンジするのは初めてだったので楽しかったですね。

TAK:最初聞いた時、「mabanuaらしいな」と思ってすごく嬉しかったです。あと、今おっしゃっていたように、ライブでやったらぶち上がるだろうなとも思って。そこまで考えてサウンドがアップデートされているからこそ、歌詞は一緒でもよりメッセージが力強くなったと思います。言葉の入り方が全然違いました。

mabanua:日高くんが歌い直したのも良かったかもしれないですね。

TAK:確かに。「リインカーネーション」は『OLIVE』(2017年)っていうアルバムに入っているけど、そこから日高くんの歌も随分パワーアップしていますしね。それもひっくるめて、曲を作った人同士がまた集まって、もっと良いものにするってかっこいいなって思いました。



―「ここから」はオリジナルを関口さんがプロデュースし、リミックスをSuzukiさんが手がけていて、それが8曲目と9曲目に並んでいるのも面白かったです。

TAK:「収録曲のリミックスバージョンを入れたい」というのは日高くんのアイディアでした。それで、せっきーの曲を同レーベルのシンゴっちがリミックスするというなかなかない試みが行われました(笑)。

関口:スケジュール的な問題で、僕のアレンジの終わり際ぐらいで、データをシンゴっちさんに渡さないといけなかったんです。そのパターンは初めてでした(笑)。





―リミックスは随分BPMが速くなっていますけど、どんなイメージがあったんでしょう?

Suzuki:いい意味で原曲とは違うコントラストにしたいなと思いました。リミックスの大まかな手法としては、テンポを上げるか下げるか、キーを変えるか、構成を変えるかっていうところですが、キーを変えるというギミックよりはテンポを変えた方が面白いと思ったんですよね。それで、各楽器を一回立ち上げて並べ替えたりして。だからリミックスではありますが、アレンジする感覚で遊ばせてもらいました。

―THE SUPER FLYERSのアルバムの中で、豪華なセッションが至るところで行われていて、とても贅沢ですよね。

TAK:贅沢ですよ。だってOvallのお三方とMichel Kanekoさん、Nenashiさん、そしてKan Sanさんと全員参加してもらていますからね。それでもって、全員が「楽しく良い作品作ろうぜ」っていう気持ちで取り組んでくれていることが伝わってきました。origamiレーベルのファンの方からしても貴重なプロダクトになっていますよね。それができたのは日高くんの求心力に尽きると思います。現場で旗を振っていたのは僕でしたが、発起人としてまとめたのは彼ですから。

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