THE SUPER FLYERSとorigami PRODUCTIONSが振り返る、共作アルバムの背景、SKY-HIの存在

左から田中“TAK” 拓也、関口シンゴ、Shingo Suzuki、mabanua(Photo by Kimi Mikawa)

SKY-HIのハウスバンドであるTHE SUPER FLYERSの初のオリジナルアルバム『Here, We Live』が、リリースから約2年後にアナログリリースされることになった。

『Here, We Live』はSKY-HI発案により、THE SUPER FLYERSと日本を代表するクリエイターチーム・origami PRODUCTIONSが共同制作したアルバムだ。リリース当時はコロナ過となったばかりの頃。「架空のフェス」をテーマに、THE SUPER FLYERSとorigami PRODUCTIONS両者のルーツでもあるジャズ、ファンク、ソウル、R&Bが色濃く感じられる多彩な作品に仕上がった。リアルフェスが戻ってきた今、改めてこの画期的なアルバムについて、THE SUPER FLYERSのバンドマスターであるギタリスト田中“TAK” 拓也とorigami PRODUCTIONS からOvallのShingo Suzuki、mabanua、関口シンゴに話を聞いた。

―2021年7月にリリースされたTHE SUPER FLYERSのアルバム『Here, We Live』がアナログリリースされます。どういう経緯があったんでしょう?

田中 “TAK” 拓也(以下、TAK):アルバムを作る時に、「CD以外にも何か作れたらいいね」ということをプロデューサーの石川さんと話してたんです。リリース当時はコロナ禍でほぼプロモーションができなかったんですが、origamiパワーでサブスクの再生回数は海外も含めてなかなか多かった。今になって日高(光啓)くんが歌唱している楽曲もいっぱい入っていることに気づいてくれる方もいるんですよね。

―Ovallの皆さんはリリースから2年後のアナログ化に対してどんな思いがありますか?

Shingo Suzuki:アナログ化できるまでサヴァイヴしてくれた素敵な作品に出会えてありがたいですね。世代的にも手に取れるものになる嬉しさがあります。

関口シンゴ:デジタルだけでなく、実際に目に入るものになったことの良さはもっと時間が経ったときに実感するかもしれないですね。

―そもそもTHE SUPER FLYERS初のアルバムをorigamiと共同制作することになったのは、SKY-HIさんの「origamiの打ち込みと生音のバランス感がTHE SUPER FLYERSと合うと思った」という思惑があったそうですね。

Suzuki:僕らのサウンドの両輪は、生の楽器を演奏することと、エディットで細かくプロットしていくことで。日高さんはそれを理解してくれていたので、フィーリングは合うんじゃないかなと思いました。そして、TAKさんは百戦錬磨のギタリストで耳がとても良い。こちらが持ってきたものに対して、深いところまで理解してくれていたのでとてもやりやすかったです。

TAK:最初のオンラインミーティングで、日高くんがコンセプトは「架空のフェス」で、「フェスに行く日に朝起きて、移動して、家に帰るまでのBGMみたいなアルバムが作りたい」という話をした時に、皆さんが「え?」っていう反応をされていたことを明確に覚えてます(笑)。

mabanua:そうでしたね(笑)。

関口:TAKさんが2009年にアメリカから帰国して、渋谷のTHE ROOMとかでやっていたセッションをよく見に行ってたんですが、逆輸入的な感じで「すごいギタリストが帰国した」って感じだったんです。実際にプレイもすごかったので、僕の中ではスーパースター。その後、TAKさんからこうやってプロデュースを依頼していただいてめちゃくちゃ嬉しかったです。しかも「Gimme Your Smile feat. SKY-HI(Prod. 関口シンゴ)」という曲ではツインギターで演奏できることになったのでテンションが上がりました。

TAK:せっきー(関口)の音楽をディグりまくって技術を身につけ、しかも洗練されているR&Bのギタースタイルというのは当時の日本では珍しかったと思います。僕はアメリカでそういうスタイルを勉強して帰ってきましたが、せっきーはじめOvallのみんなは当時の海外の音楽のエッセンスを普通に装備していたんですよね。あと、せっきーが僕もご一緒したことのあるJUJUの作品に参加していたり、manabuaがプロデュースしたCharaさんの楽曲のレコーディングに呼んでいただいたこともあったので、憧れの存在でもあるし戦友みたいな気持ちもありました。だから一緒にアルバムを作れることになった時は嬉しかったですね。

mabanua:松下マサナオというドラマーとTAKさんがZA FEEDO (ザ・フィード)っていうバンドをやっていて、TAKさんがバンドから退くタイミングでメンバーからアドバイザーみたいな立場になったじゃないですか?

TAK:“監査役”ですね(笑)。メンバーから「肩書を付けよう」って言われて、「何だそれ?」って思いましたけど。

mabanua:(笑)そのネーミングも面白いんですけど、それって引き続きTAKさんにいてほしいっていう気持ちの表れなんだろうなって思ったんです。実際僕が日高くんのライブにドラマーとして参加した時、バンマスとしての安心感をTAKさんに強く感じました。大所帯のバンドの中で、「ここもう1回やってみようか」とか「いい感じだね」とか「ここをこうしてみようか」っていう、メンバーへの声のかけ方や物事の進め方がとてもうまくて。「人間的にいてくれると安心な人を優先するよね」という話をさっきちょうどOvallのリハ中にしてました(笑)。

関口:しかもギターが超絶うまい。

TAK::そんなに褒めていただくと居心地が悪いですね(笑)。

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