TAKUROが語る、コロナ禍で生まれたGLAY16枚目のアルバム『FREEDOM ONLY』



田家:これは歌とギターのデモテープをHISASHIさんに上京してきたときみたいにアレンジしてくれって言われたって話がありました。

TAKURO:いや、もっとシンプルに「LUNA SEAみたいにしてくれ」って(笑)。当時上京してきてHISASHIの家にも入り浸りで、今日はBY-SEXUALのシングル発売するから買いに行こうとか、LUNA SEAのライブビデオが手に入ったぜみたいな感じで2人で見てかっこいいなって言ってたんですよ。GLAY風にアレンジすればGLAYっぽさって出ちゃうんだけど、たまにコピーバンドみたいなことをやりたくなる。INORANくんとSUGIZOさんのアンサンブルの感じとか、今LUNA SEAのコピーバンドをやるわけにいかないから、でもLUNA SEAっぽい感じでやったら燃えるという。なんだろうね(笑)。

田家:何でしょうね(笑)。

TAKURO:やっぱりバンドマンなんでしょうね。バンドキッズというか。まさにジョン・レノンが復活第一発目の『ダブル・ファンタジー』の中でエルヴィスの真似しながら「スターティング・オーヴァー」を歌うみたいな、あの気持ちがスッゴイよくわかる。アーティストと呼ばれたり、表現者と呼ばれたり、いろんな言い方はあるけれど、どこまで行っても演奏するのが楽しくて集まっているような4人なので。かつて自分たちが燃えた誰々風のスタイルをたまにやるとバンドが楽しいというか締まるというか。

田家:みんなその頃の自分たちになって同じように楽しむ。

TAKURO:これ誰々っぽいね、このフレーズって、ゲラゲラ笑いながらやるっていう。それを許すバンドであってほしいなと思う。

田家:そういう中に「山手通り12月の追憶 テレビからはコロナのニュースばかり」って、とっても時事的な歌詞が入ったりしてて、これは意図的に使われてるわけでしょ。

TAKURO:曲の中で、永遠みたいなものを歌うのもいいと思うんですけど、その時代が過ぎたら古くなるものに興味があって。例えば99年のアルバムの中に入ってる「Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜」の「ケイタイは便利だね」とか。その究極が「ポケベルが鳴らなくて」って曲だと思うんだけど、今は言わないけど、こんな時期あったねっていう。そういうある意味、思い入れを再生するような曲もすごく好きで。だから「受話器を握り締め」とかわざと入れたりします。高校の頃、彼女と話すんだったら線がついた電話、受話器を持つしかなかったんで。そういう時代性は積極的に入れる方だと思います、僕は。

田家:『NO DEMOCRACY』はそういうアルバムだったわけですもんね。

TAKURO:これからも多分、昭和なら昭和、平成なら平成を歌うとき、そこのアイテムみたいなものは入れていきたいなと思っています。

田家:この曲はどうだったんでしょうか? アルバムの9曲目、「Holy Knight」。

Rolling Stone Japan 編集部

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