TAKUROが語る、コロナ禍で生まれたGLAY16枚目のアルバム『FREEDOM ONLY』



田家:61枚目のシングル『HC 2023 episode 1 - THE GHOST/限界突破-』。両A面シングルですね。「限界突破」はTERUさんの詞曲で、「THE GHOST」は曲がJIROさんで、詞がTAKUROさん。

TAKURO:黄金コンビです(笑)。

田家:今までのGLAYのシングルとはかなり違いますね。

TAKURO:かなり違いますね。定期的に曲出しをするんですけど、メンバーが1曲ずつ出す「G4シリーズ」っていう企画があって、今回episode 1、episode 2ということで春と秋にわかれちゃうんですけど4曲並べたとき、この曲の可能性が光り輝いていて。レコーディングを進めていくなかで、ギターのアレンジの件でHISASHIにロスから電話をしたんですよ。仕事話が終わって雑談になったんですけど、JIROが優勝だよねってHISASHIが言ったんです。あの曲はやられたよねって。メロディアスであるとかトレンドであるとか、そういうことじゃなくて、GLAYの4人の中でやられた!って瞬間が何年かに1回あるんですけど、やられた。JIROさん、またGLAYの新しい扉を開けていただきありがとうございましたっていう。キャリア30年近くをなぞるでもなく、手ぐせでもないサウンドを出せるって幸せだなと思いながらギターを弾いていました。



田家:これも新しいGLAYの感じがしましたけどね。

TAKURO:そうですね。コロナ禍におけるレコーディング環境の変化が本当に吉と出たパターンですね。僕自身もロサンゼルスに引っ越していましたし、リモートレコーディング的なものを本格的に始めようというときのコロナ禍だったから。スタジオでの顔つき合わせて、ああでもないこうでもないっていうのが駄目な時期で。GLAYのいいところは、そんな中でもやれることをやればいいんじゃないか、今まで通りの必勝パターンのレコーディングじゃなくても面白味を見つけていこうってところで。それこそTERUがぜひやりたいクリエイターさんいるからってことで、Tomi Yoくんに直接DMを送って快諾をいただいて。そこからデータのやり取りで曲ができていくっていう。僕はずっとコンピュータが苦手だったので、スタジオに集まってじゃーんが好きだったけど、おかげで自分の作曲家としての幅も広がった気もするし、Tomi Yoくんのアレンジは本当に素晴らしくて、まさに伝えたいことを音で表現してくれた。そういうような経緯で、そこからリモートでの交流が加速していって 『FREEDOM ONLY』に至るっていう、

田家:リモートだからできたアルバムでもあった。そこに緊急事態宣言っていう世の中の動きみたいなものも反映されているんでしょう。

TAKURO:そうですね。その時代がどれぐらい続くかわからなかったので、もし3年だったらこうしよう、5年だったら、10年だったらってずっと考え続ける日々でしたね。

田家:3年5年10年という、あるタームが頭にあった。

TAKURO:僕らが東京に出てきた理由は、GLAYでライブを続けたいから職業にするしかないっていうことで函館から出てきので。バンドが一番楽しめるのはやっぱりライブでしたから、それができない状況の中で、3年できなかったらこういった活動をしなきゃな、5年だったらなるべくメンバーのモチベーションが下がらないようにファンの人たちにGLAYの音楽を届けられるようにって。そういうのをずっと考えている時期でしたよね。

田家:でも10年っていうタームはすごいですね。

TAKURO:アルバムが2年に1回だとして、ツアーは長くやりたいし。そうすると5年なんてあっという間ですよね。

田家:なるほどね。そういう時間のターム、サイクルで動いてるバンドなんだってことを改めて確認する、そんなタイミングにもなったってことですね。

TAKURO:今までもおぼろげながらしてきたプランを、コロナに入ってからよりじっくり駒を進めていくことを意識しながら活動するようになっていますね。

田家:そういうアルバムの中に、こういう曲が入っておりました。アルバム『FREEDOM ONLY』の2曲目「Hypersonic」。

Rolling Stone Japan 編集部

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