ハルカミライが振り返る10年の歴史、ライブが戦う場所に変わったきっかけ

―そんなハルカミライは、去年12月に10周年記念EPをリリースされました。タイトルを『Symbol 2』にした理由はなんですか?

須藤:インディーズレーベルに入る前、4人だけで最後に作ったデモが1stシングルの『symbol』という作品で、大地が入った時に出したんですね。それを節目に出したのもあり、今回10周年を迎えたこともあり、新たなを残そうかなっていうので『Symbol 2』にしました。結構ワガママに作ったんですよね。売れるかどうかを気にせず、大人のアドバイスも聞かずに自由に作らせてもらいました。

―EPを聴かせていただいて、どの曲もサウンドの展開がドラマチックだったのと、歌詞はブルージーな感じがしました。これまでの歩みだったり、出会った人や別れた人だったり、そういう経験を経て前に進んでいく気概を感じて。

橋本:その哀愁感とか、ノスタルジーな感じが俺もすごく好きで。俺の通ってきた音楽とか、好みが詰まってるEPなんですよね。「こっちの方がいいかな? あっちの方がいいかな?」みたいな選択で悩んだところもあるけど、それ以上に「なんとなく、これがいいな」みたいな直感に頼りました。自分たちの過去もしっかり詰まってるし、とても満足してます。

―表題曲の「Symbol 2」はかつての少年だった自分に、「みんなにもよろしく」は離れてしまった昔の仲間とか別れたメンバーに歌っていて。「満・地球の出」は幼馴染や当時一緒にいた先輩との思い出を振り返り、今ステージで出会えた人達に対しての思いを歌っているんじゃないかと。

橋本:うんうん。



―そんな中「オンゴール」は「20年前」というフレーズがあるのでバンド結成前の話だと思うんですけど、これは誰をイメージして作られたんですか?

橋本:俺の地元はすごい田舎で音楽が流行っていないっていうか、そもそも興味がある人が周りにいなくて。俺が友達に「この曲いいよ」とか教えてあげていたんですけど、そういうのも教えてあげる時点で、もう5、6年前の曲なんですよね。それを今も懐かしいと思って聴いたりするんですけど、「これって20年前かよ、ビックリするな」と思って。いつかこの曲たちもそうなったらなって。十代の子が誰かに教えて、大人になって「あ、この曲ってこんなに前のものなんだ」みたいなことが起こったらいいな、と考えて書きました。

―ラストを飾る「BOYSISM」はどうですか?

橋本:それこそ、さっきの話に出た打ち上げが絡んでいて。みんなは今も現役でお酒を飲み続けてるけど、俺は割と帰ることが多いんです。歌詞的には「時には無理しよう」って自分への鼓舞みたいな感じですね。ぶっちゃけテキーラとか飲みたくないんじゃないですか。

―酔うためのお酒って感じですからね。

橋本:「今まであんなに無茶してきたから、この1杯ぐらいは頑張ろう」っていう部分もあります(笑)。

―つまり、当時のワンシーンを切り取ったような歌詞なんですね。

橋本:今思えばって感じですけどね。書いてる時にその一瞬を考えてるかっていうと、そうでもなくて。俺も自分で曲を聴いた後に、リスナーの一人になるっていうか。「あの時のこんな感じと重なるな」みたいな発見がいっぱいあります。

―僕はてっきり「始発電車を待つ 黄金色を車窓が切り取って」からの「輝きの楽団」というのは、ハルカミライをメタ的に表していると思いました。

橋本:そういう解釈もできます。よく始発でみんなと渋谷から帰ることもあったんで、そんな懐かしい日々のことを歌にしていますね。

Rolling Stone Japan 編集部

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