オカダ・カズチカが語る、サッカーW杯・格闘技の熱狂、2023年の新日本プロレス

闘魂・ストロングスタイルという「概念」を知る者たち

―相手のジェイ・ホワイトにはどんな思いがありますか?

プロレスファンの方ならジェイ・ホワイトのすごさというものをご存知かと思うんですが、彼はいまいちばん油が乗っている時期だと思うんです。僕自身、2019年のマディソン・スクエア・ガーデンの試合でしか勝ったことがない相手ではあるんですが、G1 CLIMAX 32の覇者としてしっかり戦いたい。新日本プロレスらしい戦いをして、猪木さんに勝利を届けたい。きっと今回のイッテンヨンはいろんな方たちが観にきてくれると思うんですよね。猪木さんの追悼大会でもありますし、武藤さんの新日本ラストマッチ、いろんな戦いを観にきてくれた人たちが集まってくれた中で、最後に新日本プロレスのメインの戦いというのをしっかり皆さんにお届けして、プロレスが面白いなと思ってもらえる戦いにしたいと思っています。

―新日本プロレスのすごみを見せつける試合をする。

それはジェイにもあると思うんです。一見するとのらりくらりと戦っているような感じがあると思うんですけど、最近のジェイと戦ってみるとやけに気合いが入っているんです。いつもならリング上で喋って挑発してというところがあるけど、今回はそうじゃない。言葉にするのは難しいけれど、ジェイ自身も「俺が変えてやる」という気持ちがあるんだなと感じます。彼もヤングライオンから育っていますし、道場の雑用からいろんなことを経て、いまのポジションがあると思うので。やっぱり他の外国人選手とは違いますよ。

―新弟子時代を日本で過ごした外国人選手はやはり違いますか?

道場育ちだと全然違いますね。絶対にジェイにも闘魂やストロングスタイルという概念は叩き込まれていると思う。やっぱりヤングライオンでの戦いや先輩との戦いで入ってきていると思います。だから他の外国人選手は違うんですよ。今回のメインイベントはお互いが背負う、異なる闘魂同士の戦いというか、ふたりとも猪木さんの血は流れていますからね。その血というものはもしかしたらセミファイナルで試合するウィル・オスプレイやケニー・オメガには流れてないかもしれない。

―あらためて、イッテンヨンに向けて読者へメッセージをいただけたら。

今回のイッテンヨンはいろんなプロレスが観れると思うんです。武藤さんのラストマッチ、IWGP女子王座戦、、外国人選手の戦い、ベルトを賭けた戦い、そしてメイン。どこか音楽フェスのようで、いろんな戦いがあると思うので興味がない方でも来てもらえたら嬉しいです。僕は立場上メインがどうだこうだ言ってますけど、メインじゃない試合が初めて見た方には響くかもしれないし、それこそ「女子の選手可愛かったね」とそこからハマっていく方もいるかもしれないし、なんだかんだベテランの武藤さんの試合がまるで昔の音楽を聴いているような感覚で感動するかもしれない。いろんな響き方をする大会だと思いますので、もしよかったら会場に来てもらって会場の雰囲気を楽しんでいただきたいなと思います。そして、なんと言っても声が出せますから! ぜんぜんプロレスを知らなくても、選手の名前を呼んだりして、ストレス発散してもらうでもいいと思います。その中でプロレス好きの方には、プロレスを観て楽しんでいただきたいですし、僕の戦いを観てもらえれば、プロレスがいいなと思ってもらえる自信はあるので。今回はバラエティに富んだ試合がいくつもありますからね。フェスのように楽しんでいただきたいです。


Photo by Mitsuru Nishimura

アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム~闘魂よ、永遠に~
日時:2023年1月4日(水) 14:45開場 17:00開始
場所:東京ドーム
公式サイト:https://www.wrestlekingdom.jp/

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