オカダ・カズチカが語る、サッカーW杯・格闘技の熱狂、2023年の新日本プロレス

考えが変わったきっかけとは?

―考えが変わったきっかけはあったんですか?

中邑(真輔)さんが退団したくらいですかね(2016年)。危機感がありました。中邑さんもAJスタイルズも抜けて。このままでは絶対にダメだなとそのタイミングで思えました。

―中邑さんの新日本プロレスラストマッチでオカダさんが見せた涙は今でも記憶に残ってます。

僕は入場前から泣いてましたから(笑)。

―凱旋帰国した直後は冷徹なイメージが先行していましたが、近年は涙や笑顔も含めてヒューマニスティックな一面が前に出るようになった印象があります。

あまり笑ったりしてなかったんですけど、数年前の新日本プロレスのパンフレットに僕がめちゃくちゃ笑顔の写真が使われていたんですよ(笑)。そこで「笑ってもいいんだ」と思って。そこから笑うようになりました。中邑さんのときは本当に寂しくて泣いてただけですけど、そのほかにも棚橋さんに東京ドームで負けて泣いたりとか、柴田さんとのことでも泣いたし、そう考えるとちょいちょい泣いてますね(笑)。でも涙は自然に出ちゃうものですからね。実は僕、新闘魂三銃士(棚橋弘至・中邑真輔・柴田勝頼)の3人全員に泣かされてるんですよね(笑)。


Photo by Mitsuru Nishimura

―2022年は後楽園ホールなど一部の大会で声出しが解禁になった大会を経て、そして来たるイッテンヨン東京ドームではいよいよ選手名コール、決めゼリフ、ブーイングなどプロレス観戦におけるほとんどの発声が解禁されます。

50%の観客制限はありましたが、後楽園ホールでの声出し解禁はすごく嬉しかったし、「これがプロレスだ」と改めて感じました。あとは、プロレスファンのマナーの良さというか、行いの良さが今回のイッテンヨン東京ドームの歓声緩和に繋がったと思うんです。コロナ禍を気にせず声を出していたら、きっとこの結果にはならなかったと思うし、ファンの皆さんの協力のおかげでこういった結果が生まれたと思います。声が出せるところが少ない中で、今回の東京ドームでは声出しOKと言われたので、たくさん声を出して、ストレス発散をしに来場していただきたいなと思っています。

―やはり歓声のない大会、特にドームはあまりに寂しいですよね。

2021年、2022年の東京ドームは寂しかったですね。歓声もないですし、拍手だけ。動員数も昔の低迷期を思い出すような結果でしたし。ただお客さんも応援したいのにできないというもどかしさを感じていたと思います。だからこそ今回は溜め込んでいたものを発散してほしい。2023年以降、プロレスが先導する形で世の中を変えていけたりしたら面白んじゃないかなと思いますね。「プロレスがやっているんだから他もできるんじゃないですか」という提案をしたい。本当にお客さんのおかげでここまで来れましたから。2年間拍手だけで応援してくれたからこそ繋がるものがここから生まれると思ってます。だからこそ、2023年のイッテンヨンはすごい大会になるんじゃないかなと思います。

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