森山良子特集、歌手活動55周年の歴史を自選曲とともに振り返る



田家:この曲の入ったアルバム『ある日の午後』は全曲日本語でした。

森山:はははは! そうですね。この曲は私の大好きだった安井かずみさん、おしゃれでチャーミングで温かくて。ムッシュのとても仲良しなお友だちでもあったのと、作曲してくださった岩沢幸矢さんも学生時代からずっと一緒に音楽をやっていたお兄ちゃんだったので2人のチャーミングさが合わさったいい曲だなと思って大好きです。

田家:先程の英語のロンドンで歌唱指導をされた後に日本語を歌うようになって、日本語の表現の仕方は変わったりしました?

森山:変わったのかもしれませんね。もしかしたら。やっぱり経験というのは知らない間に体の中に積み重ねていくものだと思うので、きっと歌に対する想いというのも言葉に対する想いも変わったかもしれませんね。

田家:最初は曲を作るつもりなどなく、そういうところから始まって思いがけない出会いとかきっかけがあって変わってこられている。歌い方も変わってきたんですね。

森山:なんて言うんでしょう。自分でも1回終わったものってものすごく未熟に思っちゃうんですよね。だからもう聴きたくないというか。レコーディングし終わったそばから聴きたくないんですよね。直したくなっちゃうから。でも、直していってもキリがないのであるところで断念しなきゃいけないわけですね。これが1つのものとして外に出るということ。そういう断念を毎回してきているので、そういうことの積み重ねで歌い手は少し前に向いて少し先に一歩を踏み出していくのかなと思ったりします。

田家:8枚組ボックス『MY STORY』は159曲あるわけですね。全シングルで62曲。残りはアルバムの中、カップリングの中、ご紹介したい曲もたくさんあるのですが、それはご自分でということになります。

森山:ぜひ聴いていただければ。

田家:それぞれにストーリーがあるということがお分かりいただけると思います。来週はDisc3とDisc4からお聴きいただきます。来週もよろしくお願いします。

森山:お願いします。

Rolling Stone Japan 編集部

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