コールドプレイのガイ・ベリーマンが語る、ファッションへの真摯な想い

「APPLIED ART FORMS」を手がけるコールドプレイのガイ・ベリーマン

コールドプレイのベーシスト、ガイ・ベリーマンがクリエイティブディレクターを務めるブランド「APPLIED ART FORMS」(以下AAF)の最新コレクションが、11⽉23⽇より東京ドーバー ストリート マーケット ギンザ2階で展開されている。

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ビンテージのミリタリーウェアやワークウェアからインスパイアされつつ、厳選された素材と高度な構造によって作られたAAFのアイテムは、どれもシンプルで機能美にあふれたデザインが特徴。ショップにはコートやフィールドジャケット、オーバーサイズフーディーなどが並び、単体としてはもちろん、それぞれのアイテムをレイヤードする楽しさも提案している。コールドプレイのメンバーとして音楽に専念するまでは、大学の機械工学や建築学でインダストリアルデザインを学んでいたガイ。「供給過多」と言われ、ファストファッションの環境への配慮などが問題になっている昨今、なぜガイはファッション業界に身を投じたのか。AAFに対する熱い思い入れを語ってもらいつつ、気になるコールドプレイの近況なども聞いた。

─あなたはAAFのクリエイティブ・ディレクターだそうですが、具体的にどのような形で関わっているのでしょうか。

ガイ・ベリーマン:AAFは、主にビジネス周りを担当しているフランク、デザインを担当しているマルセルの3人で立ち上げたファッションブランドです。少数精鋭で運営しており、僕はマルセルと共にブランドコンセプトからデザイン、テキスタイルのディテールに至るまで全てに関わっています。僕はミュージシャンとして身を立てる前、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで機械工学を専攻し、そのあと建築学に変更しました。音楽が仕事のメインになってからは、いわゆる「インダストリアルデザイン」の世界からすっかり遠ざかっていましたが、ここにきて再び自分を鍛錬するような場所にコネクトしてみたくなったのです。

─AAFのブランドコンセプトを教えてください。

ガイ:僕はビンテージのミリタリーウェアが大好きで、40年代〜60年代にアメリカ軍やイギリス軍、フランス軍などが製造していたウェアを以前からずっとコレクションしていました。その実用性にインスパイアされた服作りが基本のコンセプトですね。もちろん、ミリタリーウェアとはいえファッション性も当然重要ですし、人間の体にいかにフィットするか、快適であるかも求められる。そういったことを考えながら作っていますね。



─ミリタリーウェアに魅力を感じるのはどうしてでしょうか。

ガイ:ご存知のように、ミリタリーウェアは具体的な目的があって作られているため、機能性に優れているところが最大の魅力です。男女問わず特定の状況において、それがどう機能するのかがとことんまで突き詰められている。素材は耐久性に富み、保温や保湿に長けてなければならないし、柄や色合いに関しては、例えばカモフラージュが必要なウェアも存在します。そういう、さまざまなタスクに応えるために作られた「機能美」に僕は惹かれるのでしょうね。

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