シンガーソングライター・ayakaが語る、日常の妄想から綴る独自の詞世界

ー1曲目「Know what I mean?」。この曲はどのように制作されたんですか?

ayaka:この曲はサビでいっぱいの声が聞こえてくるんですけど、そういう曲を作りたいなと思って作りました。私は、失恋ソングだからバラードとか、明るい歌詞だからアップテンポとか、そういう聴き方をあまりしてこなくて。失恋してない時だって失恋ソングを聴きたい時はあるし。逆に歌詞は歌詞に浸りたい時だけ見るじゃないですか。だから歌詞を大切にはしているんですけど、耳触りが良いっていうことも特に大事にしています。明るい曲なのに実は悲しい曲の方が2回面白いというか。サビの「もうずっと愛とか何だかわかんない」をカラオケでみんなが叫びながら歌う感じをイメージしました。失恋ソングだけど励まされる曲にしたいなと思って作りましたね。

ーayakaさんの歌詞は聴く人によって色々な見方ができるなと感じました。

ayaka:私が曲を作る時には歌詞の中に余白を作りたくて。私の中に答えが確実にあるわけでもないので、聴く人それぞれにとっての歌になればいいなと思って作っていますね。

ー2曲目「コーヒーリング」はジャジーなアレンジで他の曲とはまた雰囲気が違いますね。

ayaka:この曲は元々ロック調の曲で、勢いよく歌っている感じの弾き語り音源をアレンジャーさんにお渡ししたらすごいジャジーになって返ってきて、「え!誰の曲!?」ってなるくらい今までの自分にない曲に仕上げてもらいました。あと元々イントロがなかったんですけど、イントロがあったら素敵だなと思ってお願いしたら素敵なイントロが返ってきて「天才!?」って思いました(笑)。遊園地のコーヒーカップ、カフェみたいな不思議な空間を連想できるように作ってみたっておっしゃってました。すごく理想通りのイントロでした。



ー歌詞を作る上で1つのフレーズ、キーワードから広がっていくことが多いですか?

ayaka:そうですね。それこそ「コーヒーリング」の最後の歌詞「君がコーヒー嫌いなの知ってるよ」の箇所とか。私はコーヒーが嫌いなんですけど、家で家族といる時に私しか使わないと思っていたマグカップにコーヒー飲んだ跡があって「あれ? 誰だ?」みたいに思って作りましたね(笑)。

ーこの曲は恋愛の棘のあるリアルな部分を捉えた歌詞だなと思いました。

ayaka:この曲はよく聴くと怖い曲だなと思うんですよね。歌詞をあまり聞かずに聴いたら、ゆらゆら揺れて聴ける素敵なサウンドになっているんですけど、歌詞を聞いた瞬間に凍りつくというか。最後の「君がコーヒー嫌いなの知ってるよ」のところで大どんでん返しが起こるみたいな。でもそれが素敵だなと思って作りましたね。

ー3曲目「サンミー」、この曲はどのように作られたのですか?

ayaka:この曲は夏のうちに出したいと思って、8月後半にレコーディングして2週間後にサブスクで最初に先行配信しました。ぎりぎり夏の思い出にと思って(笑)。この曲はワンコーラス出来た時点で絶対次の音源に入れようって思った曲で、出来た時点ですぐにみんなに聞いてもらいました。ポップでキャッチーというテーマに一番沿う曲になったと思います。

ーサビまでのメロディの展開が結構複雑ですよね。

ayaka:それもアレンジャーさんとすごい話をして、結局私が弾き語りで作った状態になったんですよ。「ここ複雑だからもうちょっと簡単にした方がいいんじゃない?」とか色々言って頂いたんですけど「いやこのままで」って言って(笑)。私は1、2番が同じメロディになりがちなんですけど、この曲ではいっぱい遊べそうやなと思って、1番と2番でメロディが違うところが多いんです。2番で「なりたい」って言葉を6回くらい繰り返して、ライブで感情的になれるように作りました。フレーズやメロディが浮かばない時は一旦ギターを手放して目の前にお客さんがいると想像して、自分が何を叫びたいのか、どうやったら指差しながら歌えるかとかを考えたりします。みんなの気持ちを昂らせる曲にしたいと思って作りました。

Rolling Stone Japan編集部

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