ドリーム・シアター、2019年の秘蔵インタビュー「俺たちの音楽は今じゃ異端ではない」

プログレッシブ・メタルはコマーシャルな音楽ではない

ードリーム・シアターの作品はすべてコンセプト・アルバムだと思い込んでいる人もたくさんいるのでは?

ああ、そうだろうな(笑)。

ー『Metropolis Part 2 : Scenes From A Memory』はあなたにとってどんな意味を持つアルバムですか?

まずジョーダンが加わって作った最初のアルバムという点で重要だし、外部プロデューサーを使わずに作った初のアルバムということもある。当時マイク(ドリーム・シアターの初代ドラマーのマイク・ポートノイ)と「もうそういうのは止めて、プロデュースは自分たちでやろうぜ」と話したのを覚えているよ。それからずっとそうしている。さっきの話に戻るけど、そういう意味では『Scenes From A Memory』は前作に対する反動だったと言えるかもね。もうひとつ、それまでコンセプト・アルバムというものを作ったことがなかったし、そろそろやってみようと考えたんだ。俺たちなりの『オペレーション:マインドクライム』であり『トミー』、『ザ・ウォール』をね。意識して新しいこと、違ったことをやろうと決めたんだ。



ー『Metropolis Part 2 : Scenes From A Memory』のひとつ前の1997年のアルバム『Falling Into Infinity』ではよりコマーシャルな音作りでメインストリーム市場のリスナーに訴求しましたが、それは意識していたのですか?

いや、あのアルバムを聴くと、それほどコマーシャルな曲は入っていないんじゃないかな。でも覚えているのは、アルバムの全曲を書いた時点で、当時のレコード会社がもっとシングル向きの曲を求めてきたことだった。だから、よりコマーシャルな曲を入れようというレーベルからの一種の介入があったことは事実だ。プログレッシブ・メタルというものは本質的にコマーシャルな音楽ではないし、そうしようと試みるのはおかしいよね。意識してコマーシャルな曲を書こうとすると、本質を見失ってしまうんだ。リスナーはそんなものを期待していないし、求めてもいないんだよ。



ー今日ではあなた達はインストゥルメンタル面が強力な音楽をコアなリスナー層のためにプレイして、その支持を広げています。ラジオやMTVのことを気にする必要から解き放たれていますよね。

まったくその通りだ。ただ興味深いのは、プログレッシブ・メタルだか何だかと呼ばれる音楽のシーンがこれまでになく大きなものになっていることだ。俺たちが活動を始めた頃、そんなシーンすら存在しなかった。俺たちの友達のフェイツ・ウォーニングみたいなバンドは幾つかあったし、クイーンズライクもちょっと踏み入れていたけど、ほぼ皆無だった。俺たちは彼らよりインストゥルメンタルの比重が大きかったといえるだろう。とにかく大きなシーンはなかったんだよ。でも今ではプログレッシブ・メタルがさまざまなジャンルに枝分かれして、たくさんのバンドに素晴らしいミュージシャンがいて、とてつもなくクールな作品を作って音楽を異なった方向に持っていっている。もうラジオやMTVの手を借りずとも音楽は多くの人々に拡がって、人々は「これはクールだ。予測不能な方向に進んでいく展開とシリアスなプレイの曲はクールだよ」と言っているんだ。しかも20分の長さの曲だったりする(笑)。俺たちがやっている音楽は、今ではそれほど異端でもないんだ。それは素晴らしいことだと思うよ。

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from Rolling Stone US

<INFORMATION>

「DOWNLOAD JAPAN 2022」



2022年8月14日(日)千葉・幕張メッセ
時間:OPEN 9:30 / START 10:30
料金
VIP:35000円(入場チケット+VIP特典)
スタンディング:18000円(別途1ドリンク代)
【タイムテーブル】
OPEN 9:30
9:45-10:15:BAND-MAID(Opening Act)
10:30-11:20:The Halo Effect
11:50-12:40 :Code Orange
13:10-14:00:At The Gates
14:30-15:20:Soulfly
15:50-16:40 :Steel Panther
17:10-18:00:Mastodon
18:30-19:30 :Bullet For My Valentine
20:00-21:50:Dream Theater

オフィシャルサイト

Translated by Tomoyuki Yamazaki

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