SCANDALが語る、活動15年目にして素を出せるようになった理由

―2021年8月21日に結成15周年を迎え、2022年1月26日には10枚目のアルバム『MIRROR』をリリース。ここまで到達できたこと自体にはどんな感慨を持たれていますか?

HARUNA(vo,g):15年も同じことを同じメンバーで続けて来られたというのは、それだけですごく嬉しいなと思いますし、しかも15年経った今が「一番良い状態だな」と実感できているので、すごくしあわせだなと思います。

―例えば、どんなところに「一番良い状態だな」と感じます?

HARUNA:今はより人間らしく活動できているんですよ。それまでの自分たちはひらすら走ってきて、忙しないというか、いろいろ焦ったりしながら活動を続けていたと思うんですけど、コロナ禍があったことでメンバーそれぞれ自分自身と向き合うことができて、ちゃんと大人の、30代の女性として音楽を出来るようになった。それはすごく大きいなと思っていて。

―よりナチュラルな状態で活動できるようになったんですかね。

HARUNA:何事においてもそうだなと思います。レコーディングにしてもそうだし、自分は特にライブに対してそう思うことが多くて。ちゃんと自分の言葉で、自分らしい立ち振る舞いで、お客さんの前に立てるようにやっとなれたんですよね。今までは頑張って“SCANDALのHARUNA”という人物を作っていた部分もちょっとあって、それだと「今後もSCANDALとして音楽を続けていくのは苦しいんじゃないかな」と感じてはいたんですけど、なかなか立ち止まることが出来なかったんです。でも、コロナ禍になって、強制的に立ち止まったことで自分と向き合えて、素の自分を表に出させるようになって。

―素の自分を見せるときって、ファンの皆さんの反応が怖いと思ったりするもんじゃないですか。HARUNAさんの場合はどうだったんですか?

HARUNA:素の自分を見せたほうがより「気持ちが伝わっているな」と感じました。MCで上手く話そうと思えば思うほど「伝わってないな」と感じることが多かったんですけど、ヘタクソでもいいからとにかく気持ちが届くように頑張って喋ろうと思うようになったら、ファンのみんなはそれをしっかり受け止めてくれるようになった感覚があって。


HARUNA(photo by Jumpei Yamada)

―隣で頷いているRINAさんもそうした変化は感じている?

RINA(dr,vo):HARUNAが話している姿を後ろから見ていて、そうやってひとつ自由の扉を開けて「ステージの上で生き生きとナチュラルに息をしてくれているな」と私もすごく感じていて、その頼もしさがあるから3人もより自由度が高くなったし、音楽を創ったり、表現したりする中で本当に自然体で生きられるようになったなと思って。なので、今は「バンドモードの自分たちに変身するぞ」ということじゃなくて“生活と共に音楽がある”4人に完全になっているなと思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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