DMXよ永遠に スウィズ・ビーツが語る『Exodus』制作舞台裏 

「あいつのレガシーのためにやり通さなくちゃならなかった」

ー4月にニューヨークのバークレイズ・センターで行われた追悼式で、あなたは遺書作成の重要性と、死後にしか姿を見せない人々について語っていました。ああいう発言をしようと思ったのはなぜですか?

あの日はステージ上の俺を通じて、Xが語っていたみたいだった。言葉通りの意味だよ、かなりダイレクトだったがね。裏ではいろんなことが起きていた。頼むからせめて1日ぐらい、あいつのことを考えてやれないか?という気分だった。自分のことしか考えない連中が大勢いたんだ。この男が棺で横たわってるときに、こいつらはバカげたことをやっている――そんなのおかしいだろ。だいたい今までこいつらはどこにいた? 上っ面の悲しみのせいで、お前ら気を付けろよ、と言ってやりたくなったんだ。こっちが弱ってるときを見はからって付け込んでくるような連中だからね。

ーDMXの死後、このアルバムを完成させる作業はどんな感じでしたか?

展覧会のキュレーターになったみたいだった。編集して、こっちをつまんで、こっちを付け足して、最後まで微調整する。少しプロジェクトから距離を置いて、別の人間にプレイリストの順番を考えてもらったりすることもあった。いったん手放して、その後また取りかかる、ということが必要だった。

ーそうしたプロセスは感情面でもかなり重荷だったでしょうね。

少なくとも今は、曲を聴いて泣き出すということはなくなった。こうして強がっているが、本当は打ちのめされ、ボロボロで、傷ついている。でもあいつやあいつの家族のために、そしてあいつのレガシーのためにやり通さなくちゃならなかった。



from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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