Tempalayが語る、進化するビジョン「人類よ、いざ化けろ」

Tempalay:左からAAAMYYY(Cho, Syn)、 John Natsuki(Dr)、小原綾斗(Vo, Gt)(Photo by Genki Ito for Rolling Stone Japan)



「死」は無限の創作テーマ。終わらない3人の会話

ーAAAMYYYさんがTempalayの正式メンバーになって2年半くらい経ちます。ベースレスという編成、この3人だからこそ生み出し得るアイデアやクリエイティヴィティがたくさんあると思うのですが、その辺りは今どんなふうに考えていますか?

小原 本当にこの3人は「合わない」と思うんですよ(笑)。普段聴く音楽もルーツも全く違うし、趣味もバラバラ。であるが故に、こういう楽曲ができるのかなともいえる。めぐりめぐって今の形態というか、精神状態にもなっている気がしますね。なので、もう今からメンバーを増やすとか減らすとかできないんじゃないですかね。まあ、統率を取る人がいてくれてもいい気はするけど。

Natsuki でも、それも申し訳ないよね。これから加入する人がもしいたら、きっとその人がバランサーにならざるを得ないというか。

AAAMYYY あははは(笑)。

小原 もともとメンバーだった人(竹内祐也。2018年6月に脱退)が、その役をしてくれてはいたんですよ。その人がいなくなって背骨が抜けてしまったみたいな(笑)。

ー軟体動物のように(笑)。

Natsuki 流れもありますよね。そもそもAAAMYYYはサポートとして、1stアルバムのツアーのときにはすでにいたので、ずっと4人でやってきたような感じだった。で、AAAMYYYを加えて4人組になろうと思ったときに、いろいろあって1人抜けて3人になったという経緯なんです。結局、3人バンドから3人バンドになるという(笑)。だから、最初から意味があって3人組になろうと思ったわけじゃないんですよね。

ーAAAMYYYさんは、この2年半で立ち位置の変化のようなものはありますか?

AAAMYYY 加入当初と比べると、スタンスは大きく変わりましたね。それこそバランサーになろうとしていたというか、「いかにこのバンドをうまいこと進めていくか?」みたいな、謎のタスクを自分で勝手に課していて(笑)。演奏に関しても、「Tempalayっぽくなければ」「ヤバイ音でなければ」みたいな気持ちがあったんですけど、今は全くなくなりました。むしろ、そういう思い込みは邪魔だったなあって思っています。それこそコロナ期間中にいろいろ考える機会があって、そこで気持ちが大きくシフトしたんです。同時に、そのスタンスでずっとやってきている他の2人をすごいなあと改めて思いましたね。

ーまだしばらくはコロナが続きそうですが、そんな中でTempalayはどんな展開を考えていますか?

小原 うーん、コロナについては考えても仕方ないので、今は楽しいことしかあんまり考えていないですね。今年はツアーもやりますし。まだギリギリ許してるかな、何をか分からないけど。でも、この状態がこのまま続くようなら、いよいよという時が来るでしょうね。「辛抱たまらん」ってみんなが、国民が、人間がなったらどうなるか分からない。日本はまだ全然大丈夫だと思いますけど。

Natsuki さっきのアートのあり方の話にもつながるんですけど、自分にとっては「作ること」がセラピーみたいなものなので、今はもう「自分のため」と思って音楽を作り続けています。「誰かのため」みたいに、今はなかなか考えられないから、まずは自分を納得させたいです。

AAAMYYY  Natsukiの言う「音楽を作ることがセラピー」って本当にそう思います。私自身は『ゴーストアルバム』の制作があったから、去年はなんとか命が繋がったという気持ちなんですよね。いつもアルバムを作り終えた後、こうやって3人揃ってインタビューをすることで綾斗やNatsukiが考えていることが分かるんですけど、今日の最初に綾斗が言った「メッセージはない」「伝えたいことはない」というのが一番の救いでした。「メッセージを込めたものをやらなくていい」というスタンスが、私もやっと理解できたというか。自分を音楽に投影することができるかなという気持ちが、今作を作ることでより高まった気がします。これからも自分が納得のいくもの、本当にかっこいいと思える音楽を作り続けたいですね。

ーところで、さっき話していた綾斗さんの死生観の話、NatsukiさんとAAAMYYYさんはどう思います?

Natsuki 「生と死は、どっちの側に立つかだけの話」という考え方ですよね。俺は綾斗の言いたいこと、「分かるな」と思っちゃうんですよね。前のインタビューで言ってた「死に強烈に惹かれる」という感覚も、みんな多かれ少なかれ持ち合わせていたからこそ反響が大きかったんじゃないかな。確かに「死」は、特殊なようですごく身近にある。絶対に向こう側は跨げないんですけどね。実際のところ死後の世界がどうなっているのか、生きている側にいたら分からない。全く未知で、いくらでも想像できるからこそ「死」は永遠のテーマだし、こんなに面白いんだろうなって思います。

AAAMYYY 私も基本的には綾斗とNatsukiに同意というか。ただ、その「死」を愉快に捉えている綾斗の感覚は面白いなあと思いますね。怖がってもいるのだろうけど。

Natsuki でもAAAMYYYもさ、Netflixで映画観て妄想するタイプじゃない?(笑)。だから楽しんでいるようにも見えるけど。

AAAMYYY 確かに(笑)。たとえば、自分が死んでも自分じゃ分からないわけじゃないですか。死んだかどうかは自分以外の誰かが決めることって、なんか変だなあとは思ったりする。
小原 なるほどね。つまり自分が死んだってことは、自分では認められないわけか。……ん、どういうことだ、もう死んでるかもしれないってこと?(笑)

Natsuki でもそれって絶対分からないわけじゃん。「無」なんだから。

AAAMYYY きっと、この意識のまま向こうの世界に行けるわけじゃないと思うんだよね。輪廻にしても、もしこの意識のまま生まれ変わったらそれが分かるけど、そんな人いるの?って思う。

小原 俺、ずっと小さい頃から思っていることがあって。人って死ぬじゃないですか。死んだら「無」になると言われていますよね。でも寝ているときも「無」の状態になって、起きたから前の日の記憶を思い出して生きているわけですよ。要は「一回死んでいる」ということになる。じゃあ、死んだときに「無」になって記憶が全部なくなるのに、なんで今の俺には記憶があるんだろう?って思うんですよ。

AAAMYYY ……ん?

小原 そう、この話をすると必ず「ん?」って顔をされる。

Natsuki これ、マジ答えが出ない! だからこそ一生話していられるんだけど(笑)。

Edited by Yukako Yajima
Styling by Kan Fuchigami
Hair and Make-up by Katsuyoshi Kojima(TRON)

<INFORMATION>


『ゴーストアルバム』
Tempalay
ワーナーミュージック・ジャパン / unBORDE
発売中

1.    ゲゲゲ
2.    GHOST WORLD
3.    シンゴ
4.    ああ迷路
5.    忍者ハッタリくん
6.    春山淡冶にして笑うが如く
7.    Odyssey
8.    何億年たっても
9.    EDEN
10.    へどりゅーむ
11.    冬山惨淡として睡るが如し
12.    大東京万博


『ゴーストアルバム』(アナログ)
2021年6月23日(水)発売
ワーナーミュージック・ジャパン / unBORDE
定価:¥5,500(税抜価格:¥5,000)
形態:LP

収録内容:
[Side-A]
01. ゲゲゲ
02. GHOST WORLD
03. シンゴ
04. ああ迷路
05. 忍者ハッタリくん
06. 春山淡冶にして笑うが如く

[Side-B]
01. Odyssey
02. 何億年たっても
03. EDEN
04. へどりゅーむ
05. 冬山惨淡として睡るが如し
06. 大東京万博

▼購入URL▼
・amazon.co.jp
https://www.amazon.co.jp/dp/B092VSS1FY

・楽天BOOKS
https://books.rakuten.co.jp/rb/16720186/

・TOWER RECORDS
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・ディスクユニオン
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・HMV
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・TSUTAYA
http://shop.tsutaya.co.jp/cd/product/4943674337156/

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