メリル・ストリープはかつてセックスワーク反対運動を支持していた「登場人物はみな薄っぺらく、誇張されて描かれています」 セックスワーカー兼活動家のアリー・オウサムさんは、ジョーンズがTEDで『Sell/Buy/Date』から一部抜粋して語る映像を見てこう言った。「セックスワーカーや私の仲間がネタにされて、TEDの観客から笑い者にされているのを見て、腹立たしい限りです」
映画化が発表されたことで、さらに怒りが激化した。「誰もが風俗業で金もうけをしようとしている、その繰り返しです――セックスワーカーをスケープゴートやカタリスト、ネタや標的に利用する輩が大勢いるんです――風俗関係者を除いてね。こうした話題になんの影響も受けず、ゴールデングローブ賞にノミネートされるために旬の話題に便乗しようとする人たちが、またやってくれました」 。長年セックスワーカーの権利を訴えてきた活動家、ケイト・ダダモさんもこう語る。
セックスワーカーの権利を支持する人々が『Sell/Buy/Date』に怒りを募らせたのは、映画化の関係者のせいでもある。とりわけプロデューサー陣に名前を連ねているメリル・ストリープとラシダ・ジョーンズだ。当初は、かねてよりセックスワークの非犯罪化とセックスワーカーの権利を声高に訴えていた女優兼活動家のラヴァーン・コックスもプロデューサーの1人として名前が挙がっていたが、この騒動を受けて降板し、Twitterにこう投稿した。「私のプロジェクト参加に対して一部の人々から上がっている怒りの声に、今は対処できる精神状態ではありません」
ストリープがかつてSESTA/FOSTAなどセックスワーク反対運動を支持していた事実も、怒りをかきたてた。2017年に制定されたオンライン人身売買禁止法SESTA/FOSTAは、セックスワーカーの主張によれば、顧客の選別を可能にするプラットフォームのような必要不可欠なセーフガードを排除し、セックスワーカーをさらに危険にさらしたとして波紋を呼んだ。
NBCのドラマシリーズ『パークス・アンド・レクリエーション』で多くの方がご存知であろうラシダ・ジョーンズは、セックスワーカーやその仲間たちとさらに険悪な関係にある。彼女がプロデューサーを務めた2015年のドキュメンタリー映画『ホット・ガールズ・ウォンテッド』は2017年にNetflixでシリーズ化されたが、いずれの作品も風俗業に偏った見方をし、同意の上での売春と人身売買産業を混同しているとして、セックスワーカー支援運動家から厳しく批判された。Netflixのシリーズに関しては、作品の内容を偽ってセックスワーカーを出演させたとして激しく非難された。