伝説的フォトグラファーのデニス・モリスが記録した、セックス・ピストルズの素顔と1977年の混乱を振り返る。当時からレゲエの大ファンだったジョニー・ロットンは、デニス・モリスが撮影したボブ・マーリーの写真に惚れ込み、ピストルズが1977年5月にヴァージンと契約すると、彼に最初のオフィシャル写真を依頼した。それから7カ月間、モリスは常にバンドと帯同し、彼らの絶対的なピークの時期に、信じられないほど親密な写真を撮り続けた。狂気、ドラッグ中毒、内紛、絶え間なくキャンセルされるギグに至るまで、モリスはそのすべてをフィルムに収めた。
※以下、文中の発言部分はデニス・モリスによるもの。All Photo by Dennis Morris●「パンク」史上最高のアルバム40選Sid & Nancy「これは(ロンドンの)ブルネル大学で撮影したもの。SPOTSツアーの最後のギグだった。3000人くらいの大規模な会場だったから、バンドが到着したとき興奮していたのを覚えている。自分たちが素晴らしいライブバンドであることを証明するチャンスだったから。しかし、音響システムのせいか音が酷くて、これまでで最悪のギグだったかもしれない。彼らはショックを受けているようだった。これはライブのあとに撮ったシド・ヴィシャスとナンシー・スパンゲンの写真。コートニー・ラヴがどこから彼女のイメージを得たのか、二人のボス(影響源)が誰なのかがよくわかるだろう」
The Great Rock and Roll Swindler「これは僕が撮影した、マルコム・マクラーレンの唯一の写真。彼は自分の写真を撮られるのを嫌がっていた。これはブルネル大学のエレベーターの中で撮影したものだと思う。こっそり撮ったんだ。看板に『積載量は3000ポンドを超えないように』と書かれているのが気に入っている」
Pretty Vacant「これはマーキークラブの楽屋で撮影した。ここでザ・フー、ジミ・ヘンドリックス、レッド・ツェッペリン、ローリング・ストーンズ……みんな演奏してきたんだ。僕らがそこにいたのは『プリティ・ヴェイカント』と『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』のビデオを撮影するためだった。バンドはライブをやることにして観客を招待した。映像制作者はプレイバックを希望したが、バンドはそれを拒否してライブで演奏した。だから映像をよく見てみると、(音と)同期していないのがわかる。いつものように、ライヴは大混乱に陥った。この写真は彼らが演奏する前か後の楽屋で撮影したものだ」
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