警官の自虐ネタがTikTokで人気、当事者たちはBLMとどう向き合う?

自虐的なジョークで若者とつながろうとするTikTokの警官たち――だが抗議活動が全米に広がる中、それもほぼ不可能になりつつある。(Photographs in illustration by Griffin Lotz and Shutterstock)



TikTokで警察官の投稿が支持される理由

なぜ警察官がTikTokでこれほど人気なのか。年齢層が理由だとしても、具体的な原因を突き止めるのは少々厄介だ。TikTokユーザーの大多数は若者(ある分析報告によると、ユーザーの41%が16~24歳)なので、警官寄りのコンテンツは敬遠されると思われるだろう。だが71万9000人以上のフォロワーを抱えるTikTok警官「@OfficerDaniels」は、実際はそうではないと言う。「TikTokではびっくりするほど若い世代から支持されています。まさに我々が協力していきたいと考える年齢層です」

もともとVineの人気者だったダニエル氏は、2018年にTikTokに転向した。アプリがまだMusical.lyと呼ばれていたころだ。自称フルタイムのインフルエンサーは(警察は2014年に退職している)現在Humanizing the BadgeというNPO団体のディレクターを努めている。「警察官と、彼らが奉仕するコミュニティとの間に強い絆を結ぶ」ことを目指して、とある警察官の妻が立ち上げた団体だ。活動の一環として、昔ながらのコミュニティ活動も行っている。2014年、警察によってマイケル・ブラウンさんが死亡した際は、事件の後ミズーリ州ファーガソンをはるばる訪れ、悲しみと怒りに震える住民らと対話した。

だがTikTokには、トレンドに便乗した警官が自分たちをネタにする#HumanizingTheBadgeというハッシュタグつきの動画がわんさとある。ある動画では、一糸乱れぬ制服姿の警官がAuntie Hammyの「Pew Pew Pew」をバックに、犬の口に水鉄砲を浴びせている。別の動画では、飲酒運転のドライバーが検査をまんまとパスして、ハイウェイパトロールの警官がいかにも驚いた顔をしてみせる。当然といえば当然だが、コーヒーとドーナツをネタにしたコンテンツも決して少なくない。

多くのインフルエンサーは常々、暗にほのめかすメッセージがとくにあるわけではない、痩せるお茶やデリケートケアの軟膏を投稿するのはそれが好きだからやっているだけで、他意はない、と主張する。だがTikTokの警官たちは違う。とりわけ#HumanizingTheBadgeというハッシュグを使う警官たちは、明確な理由で、自覚しながらやっている。実質的には警察のPR活動だ。「仮に警察からかなり陰険な対応をされたり、いやな思いにされたことがあっても、TikTokの警官を見れば『ワオ、おかしな奴らだ、面白い人たちだ』というコメントが上がってくるんです」とコルテス巡査は言う。「警察がちょっとばかり殻を破っているのが面白いんです。いってみれば、バーチャル地域活動ですよ。こっちは世界規模ですがね」

Translated by Akiko Kato

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