性的コンテンツの配信で急成長した会員制SNS、立役者であるセックスワーカーの不満

20人以上のアダルトモデルたちがアカウントを閉鎖され、資金を回収できずにいる

一般人の流入は、多くのセックスワーカーにとって悩みの種になった。長らく同プラットフォームを収入源としていた彼女たちは、マーケットの飽和状態を懸念している。「もはや、ここの人気クリエイターはセックスワーカーではなく、セレブやYouTuberなんです」と、モデル兼SM女王のMrs.Hell(仮名)は言う。「大問題ですよ……まっとうな世界の人々は、ここでラクにお金を稼げると思っていますが、(ここで生計を立てる私たちに)影響を与えかねません」

【画像】オンライン上で活動するセックスワーカーの悩み(写真)

さらに悪いことに、一部のユーザーはOnlyFansの利用規約に違反していないにもかかわらずアカウントを削除され、プラットフォームから追い出されたと感じている。そうした苦情は「最高潮に達しつつある」とロスフィールド氏。彼女の話によると、20人以上のアダルトモデルたちがアカウントを閉鎖され、資金を回収できずにいると訴えているそうだ。ローリングストーン誌が入手したOnlyFansからクリエイターに宛てたメールには、「一般的に、詐欺行為やそれと疑わしき行為があった場合にアカウントが削除されます」という定型文が書かれていたが、具体的にどの行為を指すかは書かれていなかった。メールはユーザーのアカウントがシステムから削除されたと伝えたのち、「遺憾ながら、今回のプロセスは自動化されているため、撤回することはできません」と締めくくられていた。

実際にクリエイターがOnlyFansの利用規約に違反したため、プラットフォームを追われた例もある。例えば、OnlyFansではエスコート目的での利用を厳格に禁じている。エヴァンス氏いわく、アカウントを閉鎖されたクリエイターのうち数名はこのガイドラインに違反していることが判明した。

「現状ではSESTA/FOSTA法により、パフォーマーがエスコート目的でアカウントを利用して金銭を受け取った場合、OnlyFansのオーナーは重い罪に問われます」とエヴァンス氏。だがそうしたケースは、この1年でアカウントを削除され、彼女のもとに相談に来た推定100人以上のうちのごくわずかにすぎない。「他のパフォーマーが(アカウントを閉鎖されたと)不満を訴えても、まともに取り合ってもらえないのが問題です」

これらを踏まえ、ローリングストーン誌ではOnlyFansのユーザーガイドライン違反を理由にアカウントを無効化、または削除された10名足らずのセックスワーカーに話を聞いた。そのうちの1人Railey Boo(仮名)は、アカウントから残額がなくなっていることに気づき、何か変だと感じた。ログインできなくなった後、詐欺行為の疑いがあるためアカウントを削除しました、というメッセージが届いた。「悪いことは一度もしていません……Snapchatのこととか、出会い系をやってるとか、そういう禁止されていることは一切口にしていません」と、彼女はローリングストーン誌に語った。彼女はOnlyFansにアカウント削除の理由を問い詰めたが、同プラットフォームからの返答はなかったそうだ。結局彼女はアカウントにあった1200ドルを失い、いまだ回収できずにいる。

Translated by Akiko Kato

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