性的コンテンツの配信で急成長した会員制SNS、立役者であるセックスワーカーの不満

OnlyFans側の声明

別のセックスワーカーNoelle Flayer(仮名)も、最近200ドルの入金処理を待っている最中にアカウントから締め出されたそうだ。「アカウントにアクセスできなくなるという事前の警告もなければ、削除に値するようなルール違反をしたという指摘もありませんでした」。ITサポートに連絡したところ、詳しく調査しますとの自動メッセージが届いた。だがそれからは何の音沙汰もない。「私はストリッパーなので、この時期はOnlyFansの収入に頼るしかないんです」と彼女は言う。「セックスワーカーのためのプラットフォームとして知名度をあげたSNSから収入をかすめ取られた、というのがとくに頭に来ます」(OnlyFanは後日メールで、Flayerのアカウントが復帰したと通知した)

SM女王のKatharina Amara(仮名)も、3月にアカウントが停止されたというメッセージを受け取ったそうだ。「あざ、血、スカトロ、フィストファック等」の描写など、過激なコンテンツを禁止するガイドラインに違反した、というのが理由だった。問題とされた動画には、彼女が全裸の下僕に電気マッサージを当てる姿が映っていたが、前述のようなコンテンツは一切含まれていなかった。アカウントは5月に再開したが、購読者はすべて失われてしまった。「またゼロからやり直さなくちゃいけませんでした」と彼女は言う。

OnlyFansからセックスワーカーが相次いで削除されている問題は、資産家のSM女王Mistress Mia(仮名)が拡散したツイートのおかげもあり、ソーシャルメディアでも話題になった。彼女が言うには、セックスワーカーのアカウント無効化を最初に知ったのはFacebookだった。「私がとくに気になったのは、よりによってパンデミックのさなかに彼女たちのお金が奪われていることです」と彼女は言う。「この最悪の時期、収入を奪われれば大ピンチになるかもしれないんですよ」。彼女の話を聞いていると、どうやら収入を失うことよりも、OnlyFansのアカウント削除でパフォーマーのブランドに傷がつくことのほうが重大なようだ。「何年も努力して築き上げてきたコンテンツが、完全に削除されるんですからね。バックアップを取っている人はそう多くありません」と彼女は言う。

OnlyFans側も声明を発表し、「しかるべき理由なくしてアカウントを無効化することは決してありません。多くの場合、弊社の規約に違反したクリエイターは、調査や対策を検討する間アカウントが制限または停止されます。たとえば深刻な詐欺行為の場合、アカウントは無効化されます」と述べた。また、性的コンテンツを擁護する姿勢を改めて強調した。「間違いなく、OnlyFansはもっともインクルーシブなソーシャルプラットフォームのひとつです。コンテンツ制作に対する弊社の前衛的なポリシーは、アダルトコンテンツ・クリエイターが分け隔てなく活躍できる場を与えています。それは今後も変わりありません」。とはいえセックスワーカーの中には、OnlyFansがずいぶん前からインフルエンサーに向けたメインストリーム寄りの姿勢を打ち出していると考える者もいる。サイトのユーザーベースの大半はアダルトコンテンツのクリエイターが占めているというのにだ。「広告に挙がってくるのは、シェフとかヨガインストラクターばかり」とAwesome。「ポルノスターとかは絶対あがってきません」

Translated by Akiko Kato

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