コロナ禍でも美容整形はやめられない、危険なセルフ施術に手を出す者も

セレブのとんでもない要求

皮膚科医の話によると、下々の連中と鉢合わせたくないという富裕層の患者から自宅施術を依頼され、とんでもない額を提示されたことが多々あるという。「運転手にハンプトンズまで迎えに来させて、そこからニューヨーク州北部の私の自宅まで来て施術してもらうことは可能か、という電話をもらったことがあります」と言うのは、ニューヨーク市のアッパー・イースト・サイドで皮膚科とレーザー治療のクリニックを運営するマクリーヌ・アレクシアデス医師だ。「その患者はボトックスとフィラー施術をご希望で、レーザー治療も出来るか知りたがっていました。とあるセレブの方からも、機材を全部持って来られるようプライベートジェットを用意する、と言われたこともあります」。彼女はオファーを辞退し、現在施術は行なっていないが、仲間の医師が封鎖中に訪問施術を行ったとしても「驚かない」と言う。

こうした高額な施術には手が出ない人々は、より危険な道を選んでいる。一部のスパはInstagramで注入液の入った注射器を数百ドルで販売している。カナダのとあるスパは、ボトックスやジュビダームが入った注射器の「無料配送または店頭受け渡しサービス」を提供していると投稿した。法的には、メーカーは認定を受けた医療販売業者にしか販売することが出来ないが、ソーシャルメディアではセルフ用注入剤の偽造品が盛んに取引されている(AmazonとAlibabaは偽造品に反対の姿勢を打ち立てているものの、こうした製品はどちらのプラットフォームでも容易に見つかる)。



言うまでもないが、そうしたセルフ施術には多くの危険が伴う。「フィラーに不純物が入っていたり、医療用でないか、ヒアルロン酸でないか、注意する必要があります」と、アレクシアデス医師。「注射自体も危険をはらんでいます。血管に注射してしまうと、卒中や失明、潰瘍、瘢痕化を引き起こすこともあります。自分で注射するなんて無理です。注入・注射の訓練を徹底的に受けた人にやってもらわないと」

Translated by Akiko Kato

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