パブリック・エネミー等、多くのアーティストがサンダース支持集会でライブ演奏

この夜のセットの後半で、政治的主張を公言するチャックDは、サンダースでも他の候補者でも、必ず投票に行ってくれと観客に懇願した。「今夜ここにいる候補者が気に入らなくても、あんたらの常識に従ってくれ。もう2020年だ。クリアなビジョンと過去の失敗を踏まえた知恵を持つ時代のはずだ。これからの10年間は大荒れとなるだろう。俺は、アメリカ合衆国のホワイトハウスにはキリストのような救世主がいないってことだけは痛感している。それだけじゃない。ホワイトハウスの中にはヒトラー的マザーファッカーがいるってこともわかっているぜ」とチャックD。

これらの発言を聞いて、2016年の大統領選の前にローリングストーン誌のインタビューでチャックDが語ったことを思い出した。トランプが大統領になったらどうなるか?と聞かれた彼は「大文字でMEIN TRUMP(ヒトラーの『我が闘争(Mein Kampf)』を捩っている)だ。ヤツの無作法さに世界中が恐怖を抱いている。(中略)思い通りにならない最悪の日があったり、それが48時間続いたりしたとき、“ファック・ユー、そこに行って爆弾ぶっ放して、お前なんてぶっ殺してやるけど、それでもいいのか?”と言う最初の大統領になるかはまだ分からないけどな」と述べたのである。



この夜、彼らは「Bring the Noise(原題)」「Black Steel in the Hour of Chaos(原題)」「Shut ‘Em Down(原題)」を披露したあと、彼らの代表曲「Fight the Power(原題)」でセットを終えた。サンダースがパブリック・エネミー・ラジオを紹介する頃には退場し始める観客もいたが、それでも観客の多くは会場に残って彼らのステージを楽しんだ。

フレイヴの不在よりも支持集会が優先されたとは言え、ファンはすぐに気付いた。支持集会が始まる前にすでに彼の解雇を話題にしているファンもおり、安っぽい壁時計と金色のマルディグラ・ビーズで作ったフレイヴァー・フレイヴ風の時計ネックレスで会場に現れた参加者もいた。


パブリック・エネミー・ラジオのセット(1:57:00から開始)

セット中のチャックDは、少し前に過去のパートナーとなったフレイヴのことを、はっきりと名前を出すことなく、それとなく仄めかしていた。「俺たちはパブリック・エネミー・ラジオだ。俺たちのことを知らないヤツや聞いたことがないってヤツはスマホでチェックしてくれ」と。

しかし、彼らのショーが終わってからしばらく経って、チャックDはフレイヴの不在についてはっきりとツイートした。「金が支払われていたらフレイヴは登場していたはずだ。ヤツは慈善興行を一切やらない。ヤツを戻してから初めて俺は訴えられた。ヤツの救急救命弁護士が金曜日に再び俺を訴えた。ヤツは今自宅待機してるけど、リハビリ施設を見つけたほうがいい」と(フレイヴァー・フレイヴの代理人にコメントを求めたが期日までもらえなかった)。

Translated by Miki Nakayama

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